秋本は、こちらが大したリアクションを返さないのに懲りずに声を掛けてくる。友人とは呼べないが、気さくな同僚の一人として、酒の誘いにも付き合っていた。懇意にしている上司がいるわけでもなく、馴れ合いの女の噂も今はなかった。
秋本が充分準備して薬を呑んだのは、方々に発見当日に配達されたモノで明らかだった。
本田の自宅へ秋本から届いたのは、あちこちから俺の所にも来たよと、いぶかる小さな声が静まってからだったので、この遅れが死者の強い恣意に思え、届いたことを黙ったままにした。
秋本
5月 28th, 2008 秋本 はコメントを受け付けていません