廉価に仕上げる為に、発注する印刷制作技術から導かれたフォーマットに従い、まずひとつ目のフォーマットとして、ほぼ一年間の4、5千カットから57を選び、2013年からとしたのは、その年の3月頭に、ライカモノクロームというやや特殊な筐体デバイスの使用をはじめたからであったが、同様に生成された記録を幾度か別の尺と括りで纏め棄てていた。それらを拾って再解釈を与えることはせずに、新規に初期撮影記録から全てを辿って、選択現像を行う。

 印刷紙の設定仕様で、ページ数とサイズなどにより、制限があり、それを超えたものをゴリ押しするほどではないと判断したが、それでも、7年間分となると、400カットの選別と現像となるので、時間のかかる作業になる。

 私の写真画像は、ほとんど全て現実断片をスタティックに示すだけのものであるから。もとよりこの取り組みに目的などないが、私的な「観測」の俯瞰アーカイブは、別に作用するだろうという意識はある。