travel

フォトン

↑ Photographs by Andrew Davidhazy 高速度カメラは、100万コマ/秒の超高速度撮影が可能なものまでがあるらしい。このカメラが、1/100万秒という時を創出したといっていい。 二千年以上前に作られたレンズは、見る為ではなく太陽光をあつめて火を起こす為だったが、中世より500年の時間をかけて、コンピューターで設計する精密なレンズは、静止画という時間の無限点である光痕をひ […]

Tram

これまで勤めた会社をやめて4月より転職先で仕事をはじめる迄の、つかの間の休みのガリオを誘い、三ノ輪から一日乗車券(¥400)を購入し都電荒川線に揺られて、途中下車を繰り返し歩きながらロケハンしつつ撮影。こちらと同じようにカメラを手にした若い女性が車窓の外へ向けてシャッターを押していた。熊野前から宮ノ前までは歩き、荒川遊園地で下車。ここは都営で、長野の城山公園のような小さな家族向けのもの。折角なので […]

眺めを戻して

日帰り出張で撮影の仕事があり、新大阪から御堂筋線で淀屋橋にて京阪電鉄TV車両に乗車し、枚方(ひらかた)にて交野(かたの)線に乗り換え、大阪と京都のほぼ真ん中に位置する交野駅にて下車。帰りは郡津(こうづ)駅まで歩き、同じ乗り換えで戻り、新幹線で駅弁を喰って眠りに落ちていた。 父親の精密検査の結果を電話で確かめ、いざと云うときはそのまま長野に戻るつもりだったが、呑気そうな声を聴いてほっとする。東京に戻 […]

足が痛い

歩きすぎたというより、日々の怠惰な生活で身体が鈍っていた。新幹線では4時間弱熟睡したが、東京駅で目覚めると足が熱を帯び痺れていた。 松山市内を徒歩で巡り、地元の人から薦められた港に日を跨いで通うと、最初は気づかなかった路地が広がっている。松山城への上りはリフトを使ったが、二之丸史跡庭園へと歩いて降りる時折、膝から力が抜けた。愛媛県立美術館では、ロッソ(1858-1928)の蜜蝋に出会えるとは思って […]

光とBokanowski

一体何事かと驚くほどの人の波で街路が埋まった銀座をバスで横切り、午後3時44分東京発の新幹線に乗車すると、左真横からほぼ水平に車内を貫く西日をビルの隙間からチカチカと瞼に受ける度に、目薬のような明晰さで、ポタッポタッと眠気が瞼から頭の芯に突き刺すのだった。 大宮を過ぎる前に、膝の上の単行本を伏せ、Prokofievを聴いたまま、光の明滅の中眠りに落ちていた。夕陽が空にだけ残る高崎ではっきりと目覚め […]

ルイス・ハイン(1874-1940)

ー 言葉で話ができるくらいだったら、重いカメラを持って歩く必要はないわけです。 ールイス・ハイン / 写真論 / スーザン・ソンタグ 50GBのデータの吸い取りに夜中まで時間がかかり、十分な睡眠時間がなかったので、ダイヤが乱れ東京まで3時間半もかかった新幹線の中で熟睡していた。降り立った時は、当然乗車賃を返還してもらえると思い込んでいた。改札口は解放されていたが、その意味が無い。だが、思えば学生の […]

目玉の奥の少し上

の辺りに、見えるモノ(コト)のその少し先がある。夢のようでもあったが、瞼は開けていたようだ。 今日はこれからこの夏最後の撮影で上田へ。 学生の頃からバイクや車で国道を幾度も通り過ぎたが、新幹線の車窓から見える上田の景色が、車とバイクで通過する景色とまるで違う。国道から北と南へ逸れて入り込むめばと車をまず上田城趾へ向けた。 北国街道の街並の面影が残る通りもあるらしいと調べていたが、是非同行したいとい […]

桃と精密地震観測室

終戦間際か直後に自転車で、総檜造りの天皇御座所が建造された脇の地下壕に行き入った。現在公開されている象山ではなく、現在の地震観測所なのだから場所が違う。と父親が言うので、季節の贈物に川中島の桃を選んで日々お世話になっている方々に送付したのはいいけれど、自分たちがまだ口にしていないのはおかしい、川中島共選所に買いに行く折に回ってみようということになり、朝早く車を走らせた。 柔らかい熟れた桃は個人的に […]

黒姫

よく晴れたので、黒姫の童話館へでかける。戸隠、黒姫、妙高がくっきり裾野を広げた空間が爽快。娘はお土産を買い漁る。訪れる人間の数がすうっと減った日で正解。ランチは信濃ブルワリーにて、バジルのピッツァ、生ハムのピッツァ、ローストビーフサンドを家族で取り分けて済ます。とても美味しい。ゆっくり涼しい晩夏の風に身体を癒してから帰宅。 数日前に試した次女が今日もG9で撮影を自由に任せると、日々携帯の写メールで […]

北上

はじめは佐渡に渡る計画を立てた。カーフェリーが思いのほか金がかかる(2人の旅客運賃を加え往復約¥50,000)ので今回は断念。妙高あたりで濃霧の中、雨が降り出した。高速を柿崎で降り、海岸線を柏崎刈羽原発へと目指す。道端の電柱があらぬ方向へ傾いて続く街並の、被災の面影を濃く残す光景に、口を開けたまま撮影を忘れて、酷いなと車を走らせていた。海沿いの脇道に折れて車を止めると、目の前の家屋が潰れたまま放置 […]

安曇野

朝も早よから長野ー白馬オリンピック道路を走り、途中大町へ抜けて松川神社を歩きちひろ美術館にて珈琲を頂く。県下では経営が頗る良い美術館らしい。こちらは作品よりも建物と環境を探索。ラベンダー畑を造り始めたようで、館内から眺める色彩のバルールが美しい。 安曇野アートラインを南下すると、国営アルプス安曇野公園というものができており、なんだこれはと駐車場へ車を止める。脹脛を痛めて医者に通って治療している母親 […]

ロケハン

高速を軽井沢で降り、旧軽井沢の別荘地を静かに迷走移動しながら、「続明暗」 / 水村美苗を憶いだしていた。中軽井沢のセゾン美術館で、コレクションを観てランチをとり、手入れされた庭を歩きながら、コレクションの殆どが馴染みのある過去と真っすぐ繋がっているので、引き寄せられる過去の断片に若干羞恥を覚えた。 国道で小諸まで戻り、懐古園脇に小さく残されてた小諸義塾記念館に立寄り、資料年譜を見ると、指導教員の名 […]