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大気層ノ奥行

大気層ノ奥行

 気象に影響されている軀は生誕月のせいかと妖しいことを巡らせつつ窓の外の土砂降りの内側の静まり返った仕事部屋の床を拭く事で、どういうわけか穏やかに精神が癒されていく。忘れていた細かな気づき事に促されどうでもよい悉にこそ代謝が潜んでいる。酷使するわけでもない筆記具が机に並んでいるのを箱に仕舞ってから、横たえただけの万年筆の眺めから何かが立ち上がっていたことを知り、再び選んだものを並べてみるのだった。 […]
叔父犬頗快調

叔父犬頗快調

手術後禁煙し嗜好も変わり甘いものが好きになった叔父宅へ土産を持っていくとエルの散歩帰りに会う。
時史移場旅

時史移場旅

弘前城東側のねぷた村近くにあった草木の店で目にとまったシラサギカヤツリを衝動的に購入し手にぶら下げて新幹線に乗り戻った。
加気象良日

加気象良日

叔父の冬の終わりの手術は腹腔鏡下手術でなく腹を開いたものだったので術後は疲弊感が漂うものだった。
祈息災恢復

祈息災恢復

点滴を押しながら立ち上がりあたたたと手術痕に痛みが走る叔父はしかし顔色も良く術後の食事についての栄養士の方の説明を一緒に聴きながらお酒は一ヶ月ほど待ってくださいという注意に残念そうに顔を緩ませウイスキーはいいでしょと冗談を添えた。
空憂晴陽長

空憂晴陽長

叔父の手術が無事終わるが担当医師からの施術説明は明快だが厳しい内容だった。
遠庭季

遠庭季

母方の叔父たち二人は兵庫と北海道から遠路一周忌法要に来ていただいた。長女を見送った法事翌日土曜の夜に札幌の叔父とワインを二本とボトル半分を呑み上げて血筋系譜など亡父供養ともなった話を深夜まで滔々と続け山に戻れなくなったので実家仏壇の前に布団を敷いて眠る。
炎朝茶

炎朝茶

乖戻失

乖戻失

目のつながりを示す睦月葬式に愚息はカメラで走り回ることを戒めたが従兄弟の研が260枚を遺してくれた。
抱沢瀉

抱沢瀉

新盆の提灯を叔父たちが用意してくれるとのことで父方の家紋である抱き沢瀉がなかなか珍しいのだと知る。
青墓酒

青墓酒

叔父の一周忌法要と父親の四十九日が遠方の叔父たちの都合も考慮して週末を使って連日行う。
指父時

指父時

亡父遺作展会場受付番のお供に現代詩手帳「吉本隆明追悼特集」、文藝「古井由吉連続インタビュー+14人の作家が選ぶ偏愛的他薦作品」、新潮「窓の内 / 古井由吉新連作」。午前に記録撮影。