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弘前城東側のねぷた村近くにあった草木の店で目にとまったシラサギカヤツリを衝動的に購入し手にぶら下げて新幹線に乗り戻った。

五所川原の立佞武多の館から車を西に走らせ妹夫婦と姪っ子のちーちゃんをナビに無い危うい道へと促しトラクターを運転する若者になんとか尋ねてベンセ湿原先にある七里長浜の最終氷期埋没林へなんとか辿り着き2万8千年前の針葉樹の欠片を手に入れる。数年前に真冬の青森に立ち寄った際にこの場所を知りいつか訪れてみたいと願った場所であったから嬉しい上過去そのものを採集できるとは思ってもみなかった。

車の搬送に付き合って三度目となる青森を今回は車で横断する旅の日を一日挟み、五所川原から日本海、つがるから弘前そして十和田へと戻るルートにて、ねぶたとねぷたという呼称の差異を知り、24メートルの巨大な立佞武多を見上げ、変成していない太古の樹木を手にとり、短い驟雨の弘前城内で開催されていた流鏑馬の速度が目前を疾走して横切り、老老舗である御用菓子司大阪屋の和菓子を口にして、太平洋と日本海を跨ぐこの県固有に醸す時間旅行のような趣きに酔うように、短い旅を終えた。