office

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 気象に影響されている軀は生誕月のせいかと妖しいことを巡らせつつ窓の外の土砂降りの内側の静まり返った仕事部屋の床を拭く事で、どういうわけか穏やかに精神が癒されていく。忘れていた細かな気づき事に促されどうでもよい悉にこそ代謝が潜んでいる。酷使するわけでもない筆記具が机に並んでいるのを箱に仕舞ってから、横たえただけの万年筆の眺めから何かが立ち上がっていたことを知り、再び選んだものを並べてみるのだった。併し未だ片付けは終わらず。終えたくない気持ちが生まれる。ずっと続けてみるか。

 入籍した長女夫婦が没頭をはじめている野営は、こちらも若い頃には随分入れこんで幾度もテントを張ったものだが、次女が留学する前に一緒に行こうかと娘らに尋ねると即座に決まり、長女は場所や時間とかのスケジュールをさくさく熟し、次女は速攻でバイトの休みを申し出た。