work
一期積層「同田貫」

一期積層「同田貫」

 重ねる度の節度があり、その節操は次の重なりを呼び込みながら、重層的に太くなるような律を生む。勿論振り返るように戻って抑制の幅を整理し直すことも可能だが、雨降りの水滴を想って止める。  同田貫をこの層におもう。 ー同田貫(どうだぬき)は九州肥後国菊池の同田貫(地名)を本拠地に、永禄頃から活躍した肥後刀工の一群。延寿派の末流とされる。銘を九州肥後同田貫、肥後州同田貫、肥後国菊池住同田貫などと切り、ま […]
「地」「炭素」「俯瞰」ー枝脈

「地」「炭素」「俯瞰」ー枝脈

 白い季節の中巡らせた仕組みの具体化をまず率先してその行方を確かめる必要があり、奔放な緩さも許して進めると、自らに跳ね返る数々がある。記憶の陽炎とも云える断片的な痕跡が、各々傾向に別れた物語を形作るようであり、今更に固有な自己を言及しているような表象となって顕われる。近視眼的な掌のスケールでの意識の投影は、併行して行っている別スケール、別次元展開にも影響を与え、尺度の強弱の混在へ向うことになる。 […]
薪割組と炭素石

薪割組と炭素石

 四年前の秋に制作した、薪を割って再構成するインスタレーションオブジェの創作の手元を、柔らかい筆にたぐり寄せ、同じことだなとひとりごちる。いずれも繰り返されることで達する円熟、見極めの足りなさがあって、だからといって伸う伸うとそれを許す暮らしが無いと言えばそれまでだ。ただ時間を置いて、同じ取り組みをする時、幾度も繰り返さなかったにも関わらず、ふっと達者な目付きは生まれる。(生まれてしまう)  幸せ […]
炭素石

炭素石

 目の前の都度の折衝としての想像力が、端的に顕われる粒子の扱いを再考する拠所はふたつみっつある。反復による視座の洗浄(想像力投入の清潔な位置の獲得)の実感はその度にあり、局面(転化)への対応を急がずに、繰り返されることで得ていった深化構造(現状の不足と飛躍)を風呂の中まで持ち込んで、新聞の記事にも意識の辿りが移らなかった。  このところ迂回的な好奇の触手を、自らの出自気質の世知辛さと諦める世代を超 […]
差異予感

差異予感

 携わっている倉庫ギャラリーの新しい取り組みである*「Button Badges Artists Works」の展開を自らどのような具体性があるのか検証していくと、なるほどカンバッジという安価で拙いフォーマット(大きさ・体裁)に、記号的且つ画一的に現れるわけではないことに気づく。  匿名的責任所在不明の同形量産のそれではなく、一点限定の「オリジナル作品」として、作家名を帯びたオブジェクトとしてその […]
事象折衝

事象折衝

 目的(完成)を放棄する手法として、併置論を置き、三種類の図的な構造を加算することで生成する事象と交渉を試みる。事後的な内省を含みながら交渉の不足に対して持続的な関与を屡々時間を挟んで行う。この視覚のネゴシエーションには経験的な技法が呼び出されるが、言語的な意味での文法がこの折衝に横たわっているわけではないので、初動から半ばまでは、言語的文法を見出すような作業になる。とはいっても文法を確立すること […]
描譚ノ詩形

描譚ノ詩形

ダイヤモンドブラックを迎える傾き Tilt to welcome diamond black / fear of the unsophisticated shape 2017 森と山稜の速度を眺める場所 The site to look at the speed of the forest and the mountain ridge / fear of the unsophisticated s […]
天狗宇宙舟四十六艘

天狗宇宙舟四十六艘

 十八ヶ月前に神楽を浮かべて下書きをしていた「天狗の宇宙旅行」というイメージは、季節が移り変わる度に池の底から浮かんでくる泡ぶくのように繰り返されていた。丸谷才一と山崎正和の「日本史を読む」という対談冒頭で語られる、斎藤茂吉の万葉集解釈と大岡信の解釈の違いの指摘、丸谷自身が首を傾げた記憶から紐解く万葉恋歌の実際の環境構造への眼差しに大きく得心するものがあり、今回準備制作しているいわば「反矩形」のア […]
形態離脱置

形態離脱置

 音節(聴覚)の浸透的経験値(知)から生じていった西欧的文節とは異なった、形態(ゲシュタルト:gestalt)からの文法構築(おそらく記憶化、記録の必要がまずあった)、つまりこの国の、即効的なイメージの輸入に対して東へ流れ果てたモンスーンの音節を*ヒューモアの屑を払わず嵌め込んでいって言語史の軸を織り成し、それが巡りアンチロジックのプログレスの気性として現在に到った(そして今後も変わらない)血脈と […]
残痕間引

残痕間引

 ある種の抑圧、制限の元での反復は貧相な安定を齎す。その境遇を至福と感じる小さな時間が転がるものだ。だがいつまでも継続させることはできないと気づけば、その途端に悪しき循環、血の巡りの不具合のあれこれに眉をひそめる。  丁度一年程前の取り組みを制限の中で広げたことで、あの時には思いもしなかったことが降ってきたけれども、半年前に引き受けた愚鈍の継続の、惚けた放下を一ヶ月後にはボリューム造作する必要があ […]
余白利試

余白利試

 ロールキャンバスの端切れからどの程度が利用できるか木枠を充てるとS4程度が組み立てることができるとわかった。寸法を測りつつ組み立てたみっつの画布に、なかなか踏ん切れないIM正方の白い画面を前にして、木炭を持つとそれだけで展開は広がる。感応に任せる性分ではないので、せいぜい、最近は、近代以降を払って中世から拾った悉(フェルメールを除き、ラファエロ、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチなどが下手糞、癖っぽく […]
空構季紘

空構季紘

 モリヤ企画Nagano Art File「10×10」の為に、今年初頭のSelf Standing Sentences以降継続していたナガノオルタナティブ展開予定「反矩形」を圧縮させた「空構」を、20ばかり仕上げて、夏の平面を引き受ける準備をするが、「ミケランジェロの井戸」の展示が終わり次第、長々と加筆することにしているので、併行することになる。