これまで勤めた会社をやめて4月より転職先で仕事をはじめる迄の、つかの間の休みのガリオを誘い、三ノ輪から一日乗車券(¥400)を購入し都電荒川線に揺られて、途中下車を繰り返し歩きながらロケハンしつつ撮影。こちらと同じようにカメラを手にした若い女性が車窓の外へ向けてシャッターを押していた。熊野前から宮ノ前までは歩き、荒川遊園地で下車。ここは都営で、長野の城山公園のような小さな家族向けのもの。折角なので入園する。隅田川沿いの柔らかい春の陽射しが心地よい。飛鳥山を抜けるとトラムらしいロケーションとなり、以前感じたものと同じ光景の印象を大塚駅前辺りで眺める。
鬼子母神に立ち寄る途中の参道に残された欅並木と現代的な街並はわるくない。そのまま歩いて目白通りを横切り、宿坂を面影橋まで下る。神田川の桜はまだだが、早稲田に寄るごとに桜の咲く割合が若干増えているような気もした。東池袋まで戻り、地下鉄で門前仲町で下車し、大横川の川岸を歩いてから、深川公園の横を歩き、深川不動尊、富岡八幡宮と回る。
なかなかオツな半日都電の旅に、ガリオも満足したようで、今度は水上バスで巡るかなどと、龍家という酒場で軽く焼酎のお湯割りを呑み、早々に現地解散する。乙。
土曜日の午後、上野の森美術館で、VOCA展に並行企画されている平町公個展に行き、平町君の新作をみる。昨年暮れに企画が決定し、2ヶ月で仕上げた壮大な絵巻が、場所への取材と記憶でさらっと綴られている。うまくいくと来年に再度個展が決定するかもとのこと。ついでにVOCA展を観るが、個々の絵描きのひたむきさは伝わるが得るモノなし。上野で待ち合わせたがリオと別れ、青山円形劇場にて小野寺修二公演「あらかじめ」を娘等としなのキャンパスの田中先生と妹と姪のチィちゃんと一緒に観る。この劇場の形態は、演出する側にとってかなりの難関であった筈、苦心の跡が滲んでいた。ダンスと物語性の瀬戸際が、やや物語性へ傾き、ダンスの切れ味が鈍ったような気もした。音響も何か控えめな音量であり、選曲と演出でぐっとくるシーンがあったが、萎える時間もあった。舞台装置にはエスプリが感じられたが、眺めの位置の関係か、全体を俯瞰できればもっと違う印象だったのだろう、こちらにとっては個別な装置が際立ちすぎた。
Touch,Contact,Bones / Steve Paxton+Lisa Nelson Dance Project
2009.4.26-8.31(Aomori-Kyoto-Tokyo-Ymaguchi)