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眺めを戻して

日帰り出張で撮影の仕事があり、新大阪から御堂筋線で淀屋橋にて京阪電鉄TV車両に乗車し、枚方(ひらかた)にて交野(かたの)線に乗り換え、大阪と京都のほぼ真ん中に位置する交野駅にて下車。帰りは郡津(こうづ)駅まで歩き、同じ乗り換えで戻り、新幹線で駅弁を喰って眠りに落ちていた。 父親の精密検査の結果を電話で確かめ、いざと云うときはそのまま長野に戻るつもりだったが、呑気そうな声を聴いてほっとする。東京に戻 […]

足が痛い

歩きすぎたというより、日々の怠惰な生活で身体が鈍っていた。新幹線では4時間弱熟睡したが、東京駅で目覚めると足が熱を帯び痺れていた。 松山市内を徒歩で巡り、地元の人から薦められた港に日を跨いで通うと、最初は気づかなかった路地が広がっている。松山城への上りはリフトを使ったが、二之丸史跡庭園へと歩いて降りる時折、膝から力が抜けた。愛媛県立美術館では、ロッソ(1858-1928)の蜜蝋に出会えるとは思って […]

風呂の中でクレオール

本来は植民地下という言語や立場といった状況を示す混血、境界での所属無効となる新しい声明、移動とともにある差異空間などの、所謂クレオール主義を巡る今福スクリプトを湯槽で辿りつつ、なんとも古くさいような、今更自明の道理を説かれているような気分になるのはなぜか。 同じような気分は、村上春樹がイスラエルのエルサレム文学賞授賞式でのスピーチにも感じていた。約90万円という賞金額の当該賞の、欧州系言語以外の作 […]

11:31 / 8’s / outskirts of idea

outskirts of idea / CD catch a cold 01:00 outskirts of idea 01:38 park 01:32 1994 01:38 winter 01:24 dog 00:57 crying voice 01:38 satelite 01:38 8楽曲で11分半という短さだが、楽曲構築メソドを確立させるという理由で、数種類の頭を並べる。これも併置という手 […]

intelligence

trafik trafik / apple hi-res ntt-data / hi-res hi-res archives genta,garioと月島で呑み、オフィスにて朝迄コース。深夜、平町君より電話があり、3/14より上野の森美術館で急遽個展開催となった連絡を受け、レセプションに出向くのでと歓ぶ。なんと急に決まったにも関わらず新作を発表するとのこと。壁面は高さ3m長さ40m弱もある。どうや […]

架空の違和感・現実の儚さ

過ぎ去ってしまったコトは、時間の経緯とともに架空の戯れに似た儚さに包まれる。経済・報道などの情報を除けば(時には含まれる)、肉体も含めて身の回りはほとんど全て「架空」に強く結ばれている。 浅野の遺臣が本所の吉良に夜討をかけた16年後に刊行した、『ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険』(The Life and Strange Surprising Adventures of Robi […]

忘却ではない遠視

先週末、横浜戸塚区の舞岡公園に、市の環境緑地課の職員に同伴して見学に行ってきた感想を両親から電話で聞き、環境の再生の学習を関わる人間皆が学習するという前向きな進み方に、どこか羨望を覚えながら感心する。 ADSLを光としたが劇的に速度が変わったという体感が無いので、なんとも実感がないまま、これまでのプロバイダーを解約する。電話口で恐縮する女性の対応にむしろこちらが申し訳ない気持になる。 もともと記憶 […]

Special Thanks

デリコかと思ったネイティブなヴォーカルが愛知県出身の17歳の小娘であるとgentaから聞き、持ってきてもらったCDを端末に入れる。もう言葉の届かない世代が現れたような気分になる。でもこの気分は悪いものではない。そういえばセイラがこんな感じだったなと憶い出す。Seven Colorsを聴くと、方向性を自ら信じる世界観がさらりと構築されていて気持ちよいので、サカナクションの新譜と一緒に里奈に贈る。IT […]

残るもの

公私に渡りあれこれあって久しぶりに休みがとれましたと遊びに来たgarioがソファで寝付き、週末からDVDの焼き込みを続ける業務の傍らで、「悼む人」の続きを捲り終えた。 エピローグの仕立ては、作家は大いに考え抜いたのだろう。本を閉じてから暫く何も考えないように、イメージの残滓を瞼の裏に探すようにすると、読了感としてきっぱりとしたものを幾筋か開くことができる。物語への共感ではなく、むしろこの作品のコン […]

Attitude

L’Enfant(2005) / Jean-Pierre Dardenne(1951~),Luc Dardenne(1954~) uniFrance コンビニでアントシアニン36%のブルーベリーエキス(DHC)を買ったのはいいが、1日2粒という食感の無い健康食品は身体に効いているのかどうか実感が湧かない。やはり目元が重くなり、見えなっている事を気にしないようにしていること自体にはっとし […]

同時多発ならぬ同時多視

元来出来事は多様な側面を内在しているものだが、伝達の仕方は一人称の語りに依ることで片付けられていた。アレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥのアモーレス・ペロスは、2001年の911同時多発テロよりも2年以上先駆けで脚本化されており、川上弘美の「どこから行っても遠い町」が2008年に刊行されたことは、なんら不思議でないし、こちらも一枚の静止画像の成立を巡る断片としての断章(レイク)が、同時多視という […]

Intelligence

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で / 水村美苗(1951~) クレオール主義 / 今福龍太(1955~) 群島-世界論 / 今福龍太 どこから行っても遠い町 / 川上弘美(1958~) 地図男 / 真藤順丈(1977~) このところ最低気温がマイナスの朝が続き長野は酷く寒かったがそれにも慣れた。東京はどうだろうと天気予報をみると、日中は10°cもある。毎度というわけではなかったが、糖分摂取過多 […]