cinema

Rhetoric of Beginning and Mature system

official Movie Site Cold Case (2003~) 設計された音を聴くだけでも充実する。発音発声が人格形成の大きな部分を占め、またそのような空間を生きてきた文脈を持つデリケートな音響言語の性質に依っている。この場合文字は楽譜ともいえる。 David Lynch Interview Project ↑予想したラジカルさはない。カメラ、編集がせこい。牧歌的。親分の口上はいらない […]

睨み辿り

更埴インターチェンジから千曲川の土手道を選んで走ると河川敷の植生の眺めが際立った。「くわばらくわばら」の語源とも言われる千曲市桑原の善光寺西街道の面影が残り並ぶ家々のうちのひとつの立派な構えを指差して、父親はあれは待合だ。ようするに遊郭だ。と教えてくれた。一時は須坂同様に絹で潤ったらしい宿場町から県道を上り、高速が開通した時には夜景を眺めに小ドライブをした姨捨パーキングエリアを下に望む小さな展望所 […]

Acoustic

PRE SE / Kieran Murphy (1988~) / CD Equilibrium / Erik Mongrain (1980~) / CD Spirit / Preston Reed (1955~) / CD ALLPARTS BELDEN BDC9778/3M/SS CN-233A / Victor.JVC audio-technica GOLDLINK Fine AT519CS […]

時を

神楽坂で二軒ハシゴして酒を呑み、三軒目は月島で午前2時すぎまで蜷局を巻いた。地下でもようやく携帯の電波が届くようになった最初の店で、店の人からさびぬきの寿司を特別盛りにしてもらった娘は、翌日のコンサートの為早々にチャリで帰った。久しぶりのushiyamaの単独企画を見せてもらい、途中合流したgarioの元気そうな顔を肴に、最近のビジョンを滔々と零した。翌日の新宿ジャズ祭りコンサートの帰りに酒がぶり […]

~1978

MILK(2008) / Gus Van Sant(1952~) Harvey Bernard Milk(1930~1978) story. / ー1977年、カリフォルニア州サンフランシスコ市の市会議員に当選し、同国で初めて、自らゲイであることを明らかにして、選挙で選ばれた公職者となる。しかし、議員就任1年も経たない1978年11月27日、同僚議員のダン・ホワイトにより、ジョージ・マスコーニ市長 […]

リアル

::CD:: Chopin(1810~1849) / Piano Concerto No.1 / Grigory Lipmanovich Sokolov(1950~), Rowicki / Munchner Philharmoniker List(1811~1886) / Piano Concerto No.1 / Cherkassky, Wallberg / Bamberger Symphoni […]

フォトン

↑ Photographs by Andrew Davidhazy 高速度カメラは、100万コマ/秒の超高速度撮影が可能なものまでがあるらしい。このカメラが、1/100万秒という時を創出したといっていい。 二千年以上前に作られたレンズは、見る為ではなく太陽光をあつめて火を起こす為だったが、中世より500年の時間をかけて、コンピューターで設計する精密なレンズは、静止画という時間の無限点である光痕をひ […]

心臓カテーテル検査の覚え書き

1 穿刺部位を消毒。(多くは右肘部あるいは右大腿部) 2 局所麻酔を注射。(肘部で1 – 2ml、大腿で5 – 10ml) 3 穿刺針で動脈(検査によっては静脈も)を穿刺。ガイドワイヤーを挿入し、シースと呼ばれるカテーテルの出入り口を挿入。検査中に感じる痛みはここまで。 4 ガイドワイヤーを用いてX線透視下でカテーテルを挿入。血管内は痛みの感覚はない。カテーテルは直径約1. […]

廃墟のような美術館にて

体育館のような高さと広さはあるが、壁に罅がはいり、いたるところに蜘蛛の巣もあり、廃墟かと思ったが、女性の学芸員が自分の部屋迄手招きした。屋根裏のような印象の室内には書類が乱雑に積み重なり、彼女の独り住まいを連想させた。 「光の柱、つまり映像の柱よ。欲しいのは」 だされた珈琲カップの縁が割れていた。こちらもいっそ廃墟でもよいと思い始めていた。表象は人間の手元に届く形に縛られているので限定的な時空が必 […]

031209-media

BLANKY(2003) / 中村英児(1976~)、 佐々木ユメカ(1972~) Höhenfeuer(1985) / Fredi M. Murer(1940~) Blow-up(1966) / Michelangelo Antonioni(1912~2007) Teorema(1968) / Pier Paolo Pasolini(1922~1975) 痙攣 / 田尻裕司(1968~) Int […]

デジタルメソッドの暗雲

あなたは母国に帰らないの?と女性が声をかけた。机の上に積み上げた本を指差して、とにかくこれだけの人間のことを具に調べていますと英語を交えたドイツ語で説明すると、あなたと同じような人は他にもいるわと、学習室に疎らに灯るスタンドを手元に集めるように両手を器の形にしてから、ウインクを添え、好きなだけどうぞと笑顔で肩をぽんとたたくのだった。トイレに立って、窓の外の夕闇が広がり、石組みの路面が物音を集めて反 […]

光とBokanowski

一体何事かと驚くほどの人の波で街路が埋まった銀座をバスで横切り、午後3時44分東京発の新幹線に乗車すると、左真横からほぼ水平に車内を貫く西日をビルの隙間からチカチカと瞼に受ける度に、目薬のような明晰さで、ポタッポタッと眠気が瞼から頭の芯に突き刺すのだった。 大宮を過ぎる前に、膝の上の単行本を伏せ、Prokofievを聴いたまま、光の明滅の中眠りに落ちていた。夕陽が空にだけ残る高崎ではっきりと目覚め […]