this man
数形往間

数形往間

 春の毒に充ちたものを喰って腹の中を吐き出して洗浄する獣たちを浮かべて、たしかに食欲の季節ではない。余白みたいな大気にあれこれ滲み出るから嗅覚が敏感になるように、視覚も尖ってくればよいが、知覚はひとつが突出すると他が萎えるのだろうか。
詩人齎睡眠

詩人齎睡眠

ー  風に乗っているというのでもなかった。はじめは交叉点の上をいっきに飛び抜けるいきおいを持っていた。交叉点では南の風が周囲のビルに乱され、瞬間毎に方向を変えていた。直進の信号が赤に変る直前の外側の車線に移り、西へ向う車の間にまぎれこんだ。ここからはしばらくその姿が見えない。強い排気に煽られたかどうかして、突然高度を取り戻した。デパートの配送のパネルトラックのスチールの角に触れそうになり(実際接触 […]
七光闇切態

七光闇切態

 厨子王の「復讐」が薄められた鴎外の意訳から説教節に戻り、やはりまた構造のダブルバインドとなった徹底という出来事の描写(認識)が、関わりの頓着となってこちらには浮かび上がり、厨子王の日々を手元に集めるような念となり、憑依とは異なり何処か透谷に似てくる。 山庵雑記 (1893)・三日幻境 (1892) / 北村透谷 (1868~1894)
声陰淵

声陰淵

梅田版画工房主催梅田氏取材及び企画ミーティング後、亀屋にて念願のつけ麺食し成程これは素晴らしい。以前より高速や新幹線より眺めて気になっていた千曲市森将軍塚古墳に寄り県立歴史館および古墳館を見学し修復再現した巨大古墳をボランティア解説の方と巡る。
智熱愛

智熱愛

FLAT FILE モリヤ君の機智とオサメの熱中とアタシの愛で、FLAT FILE TOPOS 02 のセッティングが無事終了。 清潔で工夫された空間が提示できた。賛同参加作家各位にも感謝。 このところの準備の疲れもあり早々に引き上げてしまい、折角遠方より駆けつけてくれたびわ君に会えず申し訳ないことをした。 明日は終日休んでGOPANでパンをつくろうかな、と。

声月下

0911 2011 from baeikakkei / T.M on Vimeo.
走緑遇

走緑遇

父親の日々悶々と続けられている篆書と、この三つの漢字でまとめるメモの反復が、観念の外で捩れて響いたかもしれない「場映活系」(バエイカッケイ)という開発も、個人的には慣れた響きとなったが、はじめて聴くこの音にぽかんとする人がいて当然だ。 文脈が固有な肉体的なものだから、説明は、文字の示すこととなり、だが響きはどこか遠いことのように残ればいいと幾度か思った。
三十六

三十六

山野楽器でAcross the Universeがはいったビートルスのスコアを購入。 きょう36℃だって。銀座で待ち合わせたハルボウの第一声。まだ六月だってのに。原宿で買ったおニューのアーミージャケットがなかなかよい次女と、8丁目で開催されている二ノ宮女史のグループ展へ行き、10月の軽井沢トポスの進行スケジュール計画を手渡す。説明しながら、他人事ではないスケジュールのタイトさにあらためてヤベエなと […]
場霊唆

場霊唆

父の日と誕生日を合わせた娘らからのプレゼントの、割と高かったとハンズのシールのあるひげ剃りブラシを有り難く机に掲げて、里奈が居眠りをしている横でハルボウのラップトップの文字化けなどを弄ってから、長女の内定祝いをトリトンにて行う。
百齢景

百齢景

1914年生まれだから今年で97歳になられる織田広喜氏のアトリエに撮影の仕事で伺い、百年の形というものは、都市下ではなかなかお目にかからなくなったが、ひとつの人間にこうして明快に現れると今更に驚きつつ、仕事ではあったが、その億を超える形のひとつをじっくりと眺めさせていただいた。 画業制作を続けているというアトリエの凄まじさと対照的に、ご本人は訪れた人間を気遣う繊細を表情に隠さず、けれども時々、いか […]

jasmine

jasmine Digital Photography Review ヴィヨンの妻 / 根岸吉太郎(1950~)

3THREE

3THREE Design Studio / スリーの、サイトオープンの知らせがあり歓ぶ。 憶い返せば、15年以上前になるか、長野で美大受験の研究所をやっているころ、代表の中嶋君に当時は高価で処理の遅いマッキントッシュでいろいろと無理難題を頼み世話になった。蟹の差し入れなどもしてもらった。あれは旨かった。現在は広告代理店勤務から独立して事務所を構えて清潔な仕事をしている。 こちらも共に恥ずかしくな […]