夕立
DVD Kurt Coban About a Son(2006) / AJ Schnack(1968~) CD Sibelius / Original Works and Arrangements for Cello and Piano (Jussi Makkonen(1979~):Cello. Rait Karm(1972~):Piano) Book SOLSTORM / Åsa Larsson […]
甲子園・練馬文化センター
移動の車両の中で、観念の整理をすると、洗練に向かわざるを得ない状況が生まれ、頭を抱える。 レバニラ炒めを喰う店のモニターから響く甲子園のバット音が、いつまでも残る。 小ホールだから早めに来ないと座れないと娘に急かされ、予定の時間より1時間早くから席につき、東京都中学校吹奏楽コンクールを観る。管楽器はみな肺と胃袋の身体の延長装置なのだと、数日前浮かべて失笑した出目の望遠の身体と比べると眺めが変わって […]
北上
はじめは佐渡に渡る計画を立てた。カーフェリーが思いのほか金がかかる(2人の旅客運賃を加え往復約¥50,000)ので今回は断念。妙高あたりで濃霧の中、雨が降り出した。高速を柿崎で降り、海岸線を柏崎刈羽原発へと目指す。道端の電柱があらぬ方向へ傾いて続く街並の、被災の面影を濃く残す光景に、口を開けたまま撮影を忘れて、酷いなと車を走らせていた。海沿いの脇道に折れて車を止めると、目の前の家屋が潰れたまま放置 […]
誕生日
父親が娘夫婦から誕生日プレゼントに、Riedelのマティーニグラス(2 set)を貰いご満悦。早速食後に試飲。 流石ドイツプロダクトと唸らせるシルエットと重さにこちらも納得する。 毎晩一杯頂くことにする。と父親は飲み終えたグラスを奇麗に洗って仕舞う。母親は、家族のためにはもっと数が必要ね。とこちらを睨むので、私があと3 個 買うことを約束する。まあ、子どもたちにはスイーツなど盛ってもよろしいかもし […]
チャリ
死者の部屋 / フランク・ティリエ 殯の森 / 河瀬直美(1969~) 潜水服は蝶の夢を見る(2007) / Julian Schnabel(1951~) 88minutes(2007) / Jon Avnet(1949~) the reaping(2007) / Stephen Hopkins(1958~) 嘆きの雪 / 小谷美紗子 / iTunes Store(一曲のみダウンロード) Jon […]
ファインダーと網膜
速読の癒しを緊迫し凝り固まった観念に与えるために、予感があって持参していたタルタロスの審問官 / フランク・ティリエ(1973~)(七匹の蛾が鳴く)の古くさい翻訳にいささか辟易しつつ、読み終えて死者の部屋を注文。若手の作家だけあって複雑なプロットをダイナミックに牽引展開する力はあるが、主犯の人格設定に説明の足りなさがある。コミセールの一人称で語られる文体にいささか勇足もあったが、これは作家の若さ故 […]
状況
フィアレスを途中まで観てベッドに横になり本を捲るが中身を辿る前に眠ったようだ。古い旅館の屋根裏の小さな小部屋が迷路のように入り組んだ場所に取り残され、「タケシノズ」と呪文を唱えると目の前の中空に、古くさい映像が回転して浮かび、着物を羽織った小さな女の子を連れた女性が手のひらに二十丸のついた札を乗せこちらに差し出して微笑んだ。家人の電話の応対が遠くに聞こえて目覚めてから妙な夢だと暫く考え込んでいた。 […]
仮想
用語解説を頭に入れても難解なディアスポラ / グレッグ・イーガン(レビュー:猫は勘定にいれません)を地下鉄で捲り、仮想につきあいきれなくなり、書店を歩く。 誰も読まなかったコペルニクス / オーウェン・ギンガリッチ ブラックサッド / J.D.カナレス&J.ガルニド 恐怖の存在 / マイクル・クライトン たまに歩く書店も大型店は身体にも目にも良いが、中型店は品揃えがどうしようもない。マヂック・オペ […]
子規
週末の花金に、強かに三軒梯子して久しぶりに呑み過ぎ翌日は萎れていた。スケジュールを詰めて欲張り、その反動で酒を欲張った。酒の席で口から出るのは最近の観念のトートロジーで、聴く者のことを考えず前のめりで、最初から手元を見ておらず、もんじゃを汁から鉄板に垂らして立ちのぼった水蒸気に店中の客が振り返っていたが、しばらくまだ別を考えていた。柄谷の本を2冊を放り出して届いた平出隆を捲り、野球好きからの連結だ […]
光景・風景・現実
ーたとえば、シクロフスキーは、リアリズムの本質は非親和化にあるという。つまり、見なれているために実は見ていないものを見させることである。したがって、リアリズムに一定の方法はない。それは、親和的なものをつねに非親和化しつづけるたえまない過程にほかならない。この意味では、いわゆる反リアリズム、たとえばカフカの作品もリアリズムに属する。リアリズムとは、たんに風景を描くのではなく、つねに風景を創出しなけれ […]
観念
ー男はかろうじて女の子を支えて、この災いの、自分がすべて元なのだから、せめてこの子を救わなくてはならない、この子が生きながらえば、人も助かると、何事かを待つうちに、向かいから人を分けて白い女が現れ、立ち停まって手招きするので、最後の力を絞って女の前に寄り、子を渡し、力尽きて女の足もとに崩れると、女は片手に子を抱えなおし、もう片手を伸ばして男の首すじに触れた。いかにも涼しい手だった。これで癒えて、死 […]