速読の癒しを緊迫し凝り固まった観念に与えるために、予感があって持参していたタルタロスの審問官 / フランク・ティリエ(1973~)(七匹の蛾が鳴く)の古くさい翻訳にいささか辟易しつつ、読み終えて死者の部屋を注文。若手の作家だけあって複雑なプロットをダイナミックに牽引展開する力はあるが、主犯の人格設定に説明の足りなさがある。コミセールの一人称で語られる文体にいささか勇足もあったが、これは作家の若さ故のことと飲み込んだ。
ー1973年、北フランスのアヌシー生れ。ITエンジニアとして勤務する傍ら、創作を開始。2003年、第二作『タルタロスの審問官』で注目を集め、2006年、『死者の部屋』でフランス国鉄ミステリー大賞を受賞。2007年には『死者の部屋』の続編『幻の記憶』を発表。リール在住。ー新潮社より抜粋
La Chambre Des Morts(2007) / Alfred Lot
ファインダーを覗き込む時間が、機能と釣り合うように都度工夫しなければいけないので、意識せずにいらぬ緊張を与えていたようだ。フォーカススクリーンのゴミと思っていたものが、実は眼球に張り付いた埃であり、執拗に洗面所で目玉を洗っていた。北東に車を走らせた豊野という地域の畑の広がる郊外に、ケミカル工場が唐突に剥き出しのパイプを外へ露にしており、以前から通り過ぎる度に、その光景の環境との異様な相対感を抱いていたので、夕方に出かけ撮影する。今流行の工場フェチとは無関係な指向だが、こうした光景に直に向き合うと絵画的な捉えに縛られるものだと知る。
昨夜は、ikeda,aoki,garioと深夜まで遊ぶ。
夕方、餃子をこしらえ、旨いと父親に喜ばれる。明日大腸検査の母親は食事制限があり別メニュー。用意された腸内をクリーンにする薬(マグコロール)を飲む。翌日の午前中に2 リットルのニフレックを数回に分けて服用し検査。ニフレック服用に関しては、腸穿孔(PDF)のおそれもあり、注意しなければいけない。
巷は三連休で郊外も人と車が溢れるので、遠征撮影を平日に移動させて実家のリビング(というより出張用業オフイスと化した)にて涼しい夜半から朝にかけてデスクワーク。
快適な業務環境を、東京と長野で滞り無く行う為に、整理などもする。時間がとれなくて積み上げたままだったものを、できれば全て片付けたいが、なかなか思うようにいかない。
3月の企画展の後、運び入れたままだったオーディオ機器の接続設置を、シアター仕様にともない行ったが、此処にはCDプレーヤーが無い事が判明。端末からの音響だけで済ましていた貧しさを痛感。このリビングは、かつてはピアノが置かれてあり、毎日のレッスンの為の防音が部屋の5面に施されているので、折角の仕立てを無駄にしないよう、音響システムの再構築の計画をはじめる。見上げた壁がレスポンスを返すように、きどって壁に写真作品を飾る。
ONKYO C-777がよさそうだ。スピーカーはS-A4SPT-VP / Pioneerか、 D-112ELTD / Onkyoといったところか。
spinozaurusでgentaがリコメンドした嘆きの雪 / 小谷美紗子を繰り返し聴く。なるほど詩とメロディーの構築がインディーズの未熟なモノたちと比べて、知性的であり、言葉自体が無理なく流れ込むようつくられている。