Author Archive

ポジ

2年前に狭いオフィス開設時に持ち込みを断念し積み上げたまま、時間の折り合いがつかず放置していた15年分のポジフィルムやカセットテープなど入れた箱を開き、隙間に入れていた、手に取ると思いがけない過去が蘇る雑貨の類いも、ひとつひとつ手に取り、名刺や年賀状等は残すようにして、他は分別ゴミ袋に投げ込み、書類の類いも一応目を通し、現在の捉えに残ったエスキスなどは別に纏め、いらぬものを紙のリサイクルとして紐で […]

チャリ

死者の部屋 / フランク・ティリエ 殯の森 / 河瀬直美(1969~) 潜水服は蝶の夢を見る(2007) / Julian Schnabel(1951~) 88minutes(2007) / Jon Avnet(1949~) the reaping(2007) / Stephen Hopkins(1958~) 嘆きの雪 / 小谷美紗子 / iTunes Store(一曲のみダウンロード) Jon […]

ファインダーと網膜

速読の癒しを緊迫し凝り固まった観念に与えるために、予感があって持参していたタルタロスの審問官 / フランク・ティリエ(1973~)(七匹の蛾が鳴く)の古くさい翻訳にいささか辟易しつつ、読み終えて死者の部屋を注文。若手の作家だけあって複雑なプロットをダイナミックに牽引展開する力はあるが、主犯の人格設定に説明の足りなさがある。コミセールの一人称で語られる文体にいささか勇足もあったが、これは作家の若さ故 […]

状況

フィアレスを途中まで観てベッドに横になり本を捲るが中身を辿る前に眠ったようだ。古い旅館の屋根裏の小さな小部屋が迷路のように入り組んだ場所に取り残され、「タケシノズ」と呪文を唱えると目の前の中空に、古くさい映像が回転して浮かび、着物を羽織った小さな女の子を連れた女性が手のひらに二十丸のついた札を乗せこちらに差し出して微笑んだ。家人の電話の応対が遠くに聞こえて目覚めてから妙な夢だと暫く考え込んでいた。 […]

仮想

用語解説を頭に入れても難解なディアスポラ / グレッグ・イーガン(レビュー:猫は勘定にいれません)を地下鉄で捲り、仮想につきあいきれなくなり、書店を歩く。 誰も読まなかったコペルニクス / オーウェン・ギンガリッチ ブラックサッド / J.D.カナレス&J.ガルニド 恐怖の存在 / マイクル・クライトン たまに歩く書店も大型店は身体にも目にも良いが、中型店は品揃えがどうしようもない。マヂック・オペ […]

ロケハン

高速を軽井沢で降り、旧軽井沢の別荘地を静かに迷走移動しながら、「続明暗」 / 水村美苗を憶いだしていた。中軽井沢のセゾン美術館で、コレクションを観てランチをとり、手入れされた庭を歩きながら、コレクションの殆どが馴染みのある過去と真っすぐ繋がっているので、引き寄せられる過去の断片に若干羞恥を覚えた。 国道で小諸まで戻り、懐古園脇に小さく残されてた小諸義塾記念館に立寄り、資料年譜を見ると、指導教員の名 […]

百年

The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford (2007) / Andrew Dominik(1967~) tsunami / TV Drama BBC TWO (2006) 父方の祖父の生年月日を確かめると、明治21年だから1888年生まれであり、娘たちとほぼ百年違う。子規が明治35年(1902)に没。罪の世紀のはじまりを休 […]

子規

週末の花金に、強かに三軒梯子して久しぶりに呑み過ぎ翌日は萎れていた。スケジュールを詰めて欲張り、その反動で酒を欲張った。酒の席で口から出るのは最近の観念のトートロジーで、聴く者のことを考えず前のめりで、最初から手元を見ておらず、もんじゃを汁から鉄板に垂らして立ちのぼった水蒸気に店中の客が振り返っていたが、しばらくまだ別を考えていた。柄谷の本を2冊を放り出して届いた平出隆を捲り、野球好きからの連結だ […]

光景・風景・現実

ーたとえば、シクロフスキーは、リアリズムの本質は非親和化にあるという。つまり、見なれているために実は見ていないものを見させることである。したがって、リアリズムに一定の方法はない。それは、親和的なものをつねに非親和化しつづけるたえまない過程にほかならない。この意味では、いわゆる反リアリズム、たとえばカフカの作品もリアリズムに属する。リアリズムとは、たんに風景を描くのではなく、つねに風景を創出しなけれ […]

決壊

週末に上下を読了。このボリュームに対する速読感は他に無い。手法的にはテーマよりも、この速読させる文体の技術を評価すべき。テーマ的にも、トータルな意味での時代観が余すところなく掬われていることも、最近感じていた眺めの質と近いものがあった。2006年11月から2008年3月までの連載であるから、最近の事件に少なからず影響を与えていると思われるほど、構造的な現実感がある。(件の秋葉原の犯人らが読んでいた […]

Jubilee

そう 行かなくちゃ このバスに乗れば 間に合うはず 外はまだまだ 灰色の空 くすんだ窓に指で描いた花びら 人はそれぞれのライフ 新しい場所を探して でも君とは離ればなれ 陽が暮れて 見えなくなっても 手を振って 夜になっても さっきから風が冷たい 雲のように 自由になれるはず 失ってしまったものは いつの間にか 地図になって 新しい場所へ 誘ってゆく Jubilee 歓びとは 誰かが去るかなしみを […]

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Traversing Territories「 領域の行き来」/ Charles Christophe Traversing Territories news blog / obusecontemporary blog MCAF08 / Hitoshi KIMURA 画材と素材の引き出し博物館+ワークショップ20年のドキュメント展 / 平町公 uboat moving / 25,June.2008 […]