Traversing Territories「 領域の行き来」/ Charles Christophe
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MCAF08 / Hitoshi KIMURA
画材と素材の引き出し博物館+ワークショップ20年のドキュメント展 / 平町公

uboat moving / 25,June.2008

「決壊」 上・下巻 / 平野 啓一郎 ー2002年10月全国で犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。容疑者として疑われたのは、被害者の兄でエリート公務員の沢野崇だったが……。〈悪魔〉とは誰か?〈離脱者〉とは何か? 止まらぬ殺人の連鎖。明かされる真相。そして東京を襲ったテロの嵐!“決して赦されない罪”を通じて現代人の孤独な生を見つめる。ー一応アマクリ予約(6/26発売) : 関連イベント(平野啓一朗ブログより)

 77歳の男が家族(妻、息子、息子の嫁、息子夫婦の娘)をハンマーで打ち殺すニュースが流れ、報道の中のあの男ならやりかねないという近所の評判と、体調を崩して先月末より休養休暇をとって家に居た年齢的には壮健で評判の良い息子の肉体が、こちらの中で勝手に渦をまき、半月程家のいたる場所で肩を触れ合わせた父と息子の互いの存在を互いが持て余し、取り巻く女たちの視線で醗酵する日々が出鱈目に浮かんでは消えた。トイレの中に置いたままのクーリエジャポンにあった、クェートのアル・アラビ誌記事を重ねた。

ー日本人はどの宗教にも従わない。歴史により示唆から、若者の多くが宗教や信条を追放する必要があると考えている。それは第二次世界大戦において、日本人を動員するために神道が果たした役割のせいだ。にもかかわらず、仏教や神道の教えは日常生活の端々に存在している。ーAbdul-Baset Khalaf

一度拒否したもの、身の内から排除したものを、再考するというのは、従うべき神の示唆があってもなかなか難しい。加えて、人間として充分成熟して退職し、その評価の褒美も手にして所謂老後を思う存分我侭に送る筈の男達の血流を支配していた社命という教えの摂取が絶え、堪えた日々が蓄積し、中毒患者のような禁断症状の発作として今回の事件を考えると、これも連鎖の可能性はある。

夕方なんとなくチャンネルを替えて、最近のTVアニメは?とタイトルもわからぬ番組を幾つか眺めると、総て美麗な殺戮の、例えば少女の胸に大きな刃が突き刺さるシーンと、そのモチベーションが誇大饒舌に声優によって語られるものばかりで、毎日夕方の妖しい時刻に、子供達が信者のようにぼうっと頬を赤く上気させモニターに身を乗り出している光景が浮かんだ。これでは駄目だと腑に落ちた。ジャパンアニメの、かつての浮世絵のような輸出文化と内外の経済効果が騒がれているが、コンテンツ倫理の欠如が一線を画し、ふいに無視されるのも近いと祈るしかない。


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the curious case of benjamin button / official
the x files i want to believe / official
eagle eye / official
boy a
city of ember / official
the edge of heaven
quarantine / official
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