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整理整頓考

整理整頓考

 数年で使う事のできなくなるモノ(PC)を使う自らの精神の脆弱性を問うつもりで、なんとかならないかと、あれこれ時間をかけて併置し直すことを繰り返していた。所謂アップデートという「よりよくなる」概念に騙されているわけだから、アップデートしない環境保持を仮設する。4K48インチモニターを導入したが、4K(3840×2160ピクセル)で、表現される画面に出力するデバイスは限られており、出力したとしても、 […]
唯物速度図

唯物速度図

 過去、現在の自身の年齢あたりを想定したわけではないが、中年の終わりの自覚に包まれて自らの立体的な作品群の中を歩む夢を、不思議な体感をともなって幾度か数年の間隔をおいて繰り返してみていた。夢ではまるで根拠や系譜のない具体的な彫像のようなものもあり、欲望が羨望と溶け合った間違いの光景として、都度笑って過ぎていく程度だったが記憶には強く残った。
天狗宇宙舟四十六艘

天狗宇宙舟四十六艘

 十八ヶ月前に神楽を浮かべて下書きをしていた「天狗の宇宙旅行」というイメージは、季節が移り変わる度に池の底から浮かんでくる泡ぶくのように繰り返されていた。丸谷才一と山崎正和の「日本史を読む」という対談冒頭で語られる、斎藤茂吉の万葉集解釈と大岡信の解釈の違いの指摘、丸谷自身が首を傾げた記憶から紐解く万葉恋歌の実際の環境構造への眼差しに大きく得心するものがあり、今回準備制作しているいわば「反矩形」のア […]
形態離脱置

形態離脱置

 音節(聴覚)の浸透的経験値(知)から生じていった西欧的文節とは異なった、形態(ゲシュタルト:gestalt)からの文法構築(おそらく記憶化、記録の必要がまずあった)、つまりこの国の、即効的なイメージの輸入に対して東へ流れ果てたモンスーンの音節を*ヒューモアの屑を払わず嵌め込んでいって言語史の軸を織り成し、それが巡りアンチロジックのプログレスの気性として現在に到った(そして今後も変わらない)血脈と […]
南行伴親

南行伴親

 年齢相応足腰の弱り果てる前に少しでも旅を愉しみたい母親を連れ一ヶ月前に予定した県を南下する車の旅は快晴に恵まれた。兼ねてより所望されていた追分の堀辰雄文学館から小海高原美術館を巡り、八ヶ岳北側の標高二千メートルを越える麦草峠から奥蓼科、茅野へ降り立つメルヘン街道をゆっくり走り諏訪秋宮脇の新鶴の塩羊羹を土産に求め湖岸の下諏訪博物館から片倉館、諏訪市美術館などを観て上諏訪紅やホテルで宿泊。翌日は一気 […]
残痕間引

残痕間引

 ある種の抑圧、制限の元での反復は貧相な安定を齎す。その境遇を至福と感じる小さな時間が転がるものだ。だがいつまでも継続させることはできないと気づけば、その途端に悪しき循環、血の巡りの不具合のあれこれに眉をひそめる。  丁度一年程前の取り組みを制限の中で広げたことで、あの時には思いもしなかったことが降ってきたけれども、半年前に引き受けた愚鈍の継続の、惚けた放下を一ヶ月後にはボリューム造作する必要があ […]
余白利試

余白利試

 ロールキャンバスの端切れからどの程度が利用できるか木枠を充てるとS4程度が組み立てることができるとわかった。寸法を測りつつ組み立てたみっつの画布に、なかなか踏ん切れないIM正方の白い画面を前にして、木炭を持つとそれだけで展開は広がる。感応に任せる性分ではないので、せいぜい、最近は、近代以降を払って中世から拾った悉(フェルメールを除き、ラファエロ、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチなどが下手糞、癖っぽく […]
空構季紘

空構季紘

 モリヤ企画Nagano Art File「10×10」の為に、今年初頭のSelf Standing Sentences以降継続していたナガノオルタナティブ展開予定「反矩形」を圧縮させた「空構」を、20ばかり仕上げて、夏の平面を引き受ける準備をするが、「ミケランジェロの井戸」の展示が終わり次第、長々と加筆することにしているので、併行することになる。
振子節

振子節

 振り返れば倉庫の壁設置工事を終えて素描にとりかかり、組立作業を挟みながらほぼ三ヶ月間平面の仕事を記憶を掘り起こすように淡々と続けていた。立体的な構築作業だけでは近寄れなかったろう悉が、生活の隅々に広がるような収穫はあったが、戦略的な表出というより、行為倫理のようなかたちとなっていった。つまりまあ等身大のできることを精査し、できないことを切り捨てる、単純な反復を残りの時間の軸とする正当性のある「習 […]
事象併置

事象併置

 異なった無関係の事象(記号・様態・物質)を同一平面上に、その無関係性を保つように併置する技術というものを欲しているわけではなく、事象ごとの特異性を確定的な約束事として置く手応えは不十分であるけれども(むしろ離反傾向がある)、長年片手落ちにて転がしてきた「併置論」の始末としては明快な顕われとなった。「余白」に関して扱いが恣意に傾くのは、うんざりする程の反復鍛錬が不足しているからにすぎない。かといっ […]
水景三層

水景三層

 流床櫃 riverbed ark / oil painting   ミケランジェロの井戸 michelangelo well / oil painting 来月からは砥粉まみれの時間が待っているので、今月中にどうにかしなければと期限を決めたが、物事はなかなか計画通りにはすすまないものだ。大中小みっつの水景平面に手こずりながら夏を過ごしたが、あれこれ明快になった。今朝早く「流床櫃」と同じ大きさを準 […]
徴砥粉

徴砥粉

 最低限に研くよう戒めていたのは、さまざまな意味で「研磨」という磁力にモノもこちらも囚われないためだったが、この戒めを再検討してみると、磨き自体を括弧で括るような仕方もあって然るべきだと。