2016-2018 incomplete

Serra Grass -Or even Guernica- 2017-2018 / oil on cotton canvas 2017-2018 / incomplete

同田貫-律-へ To Dotanuki -commandment- / oil on cotton canvas 2018 / 800 mm x 1000 mm / No vertical / horizontal position specification

 放棄しては眺め、時折近寄って触れる、アナログを手探りでリハビリする時間の経過は、退行とも思われる画面がみえてくるが、そんなことはどうでもよかった。喪失していたあれこれを時には懐かしく、時には今の今になって腑に落とす。リンシードを混入させた乾燥遅延の混合オイルの彩りに戯れつつ、気づけば2年以上過ぎている。個人的な取り組みであることが知覚的に都度強調される行為の促すことは、同時に運筆の固有な根拠であったから、併行して随分スケッチのようなものを散らかした。
 
リフレクション(自己言及)をダイレクトに思惟へ反映させる為に、率直に空間と物質を直裁捉える工作からリブートした個人主義でもあり、当初は画布に筆など遠いと脇に寄せていたのは、未だ違和感を批判へ捻る世代的意識の活性残滓があったからかもしれない。再開を許してみれば、洗練された仕組みが展く明快な自己展開に抗う理由はない。幻想的ビジョンを選択したわけではなく、時空と物質への意識介入の景は脈々累々と充蓄されていて、つまり二次元であれば透視図法的な構築の導入となり、表現主義的な素材論への偏向を戒めるようだった。

 いずれにしても、目的を廃棄する思索を実践するメソドとして、創作行為そのものの実態を検証する眺めとなるので、時空物質の工作を季節に合わせて行うだろう。ただ、画面の課題でもあった「」に辿り着いたようで、これは急がずに屈託そのものを転がすだけだ。