新眼置心
ほぼ三ヶ月かかって Otus 1.4/55が届いたので試写し、とりあえず何も考えないように揺らいだ心を落ち着かせる。只管落ち着かせるにはもっとシャッターを切る必要がある。新しい眼が切り取る景は実に上品。
対象放棄
George Raymond Richard Martin (1948~)の「A Song of Ice and Fire」(氷と炎の歌)を原作とし、David Benioff (1970~)が製作者となった、「Game of Thrones」ファンタジー(寓話)の現実感の投入を観て、なるほどと感心する。寓話設定をこちら側へ引き寄せる色合い、質感を、キャラクターの構造に繁茂させる。跳躍的な奇想天 […]
余白開墾
平面に向った当初はやはりしれっとした余白をそのままに放置し、随分長い時間それを眺めていた。木炭粉に対して白いチョーク、あるいは石灰などを浮かべた途端、安易に事後的に余白とするのではなく、余白を開墾せねばならないとふいに気づく。思えば長い道程だった。
足音呼気
倫理とコンセンサスを巡る思考を辿った朝に、何も思わずに丸い葉を探して手にいれたばかりの小さな葉だけの草木鉢に水をやり、その姿勢のままの時間で行うことが、つまり生存の条件として、生半であったものが少々腑に融ける位になったか。
道具ノ姿勢
雪の融けた庭の、この冬の圧雪で折れてしまった八重桜の幼木を、根はしっかり張ったようだったから諦めきれず、傷口をバンドエイドで治療するように、添え木に麻ひもをきつく縛りつけてから焚火をした翌日の朝、霜が降り溜息をつく。
夢後雪戻
寒いなあと明けてきた外をみると雪が降っている。昨日の夢を割と克明にスケッチなどして、ディティールをあれこれ転がしていたので気がつかなかった。午前中に工事の方が来るので慌ててストーブをつけ、タイヤを履き替えた場合はチェーンでくるのかしらと他人事を案じる。