day
形態離脱置

形態離脱置

 音節(聴覚)の浸透的経験値(知)から生じていった西欧的文節とは異なった、形態(ゲシュタルト:gestalt)からの文法構築(おそらく記憶化、記録の必要がまずあった)、つまりこの国の、即効的なイメージの輸入に対して東へ流れ果てたモンスーンの音節を*ヒューモアの屑を払わず嵌め込んでいって言語史の軸を織り成し、それが巡りアンチロジックのプログレスの気性として現在に到った(そして今後も変わらない)血脈と […]
南行伴親

南行伴親

 年齢相応足腰の弱り果てる前に少しでも旅を愉しみたい母親を連れ一ヶ月前に予定した県を南下する車の旅は快晴に恵まれた。兼ねてより所望されていた追分の堀辰雄文学館から小海高原美術館を巡り、八ヶ岳北側の標高二千メートルを越える麦草峠から奥蓼科、茅野へ降り立つメルヘン街道をゆっくり走り諏訪秋宮脇の新鶴の塩羊羹を土産に求め湖岸の下諏訪博物館から片倉館、諏訪市美術館などを観て上諏訪紅やホテルで宿泊。翌日は一気 […]
残痕間引

残痕間引

 ある種の抑圧、制限の元での反復は貧相な安定を齎す。その境遇を至福と感じる小さな時間が転がるものだ。だがいつまでも継続させることはできないと気づけば、その途端に悪しき循環、血の巡りの不具合のあれこれに眉をひそめる。  丁度一年程前の取り組みを制限の中で広げたことで、あの時には思いもしなかったことが降ってきたけれども、半年前に引き受けた愚鈍の継続の、惚けた放下を一ヶ月後にはボリューム造作する必要があ […]
余白利試

余白利試

 ロールキャンバスの端切れからどの程度が利用できるか木枠を充てるとS4程度が組み立てることができるとわかった。寸法を測りつつ組み立てたみっつの画布に、なかなか踏ん切れないIM正方の白い画面を前にして、木炭を持つとそれだけで展開は広がる。感応に任せる性分ではないので、せいぜい、最近は、近代以降を払って中世から拾った悉(フェルメールを除き、ラファエロ、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチなどが下手糞、癖っぽく […]
空構季紘

空構季紘

 モリヤ企画Nagano Art File「10×10」の為に、今年初頭のSelf Standing Sentences以降継続していたナガノオルタナティブ展開予定「反矩形」を圧縮させた「空構」を、20ばかり仕上げて、夏の平面を引き受ける準備をするが、「ミケランジェロの井戸」の展示が終わり次第、長々と加筆することにしているので、併行することになる。
振子節

振子節

 振り返れば倉庫の壁設置工事を終えて素描にとりかかり、組立作業を挟みながらほぼ三ヶ月間平面の仕事を記憶を掘り起こすように淡々と続けていた。立体的な構築作業だけでは近寄れなかったろう悉が、生活の隅々に広がるような収穫はあったが、戦略的な表出というより、行為倫理のようなかたちとなっていった。つまりまあ等身大のできることを精査し、できないことを切り捨てる、単純な反復を残りの時間の軸とする正当性のある「習 […]
事象併置

事象併置

 異なった無関係の事象(記号・様態・物質)を同一平面上に、その無関係性を保つように併置する技術というものを欲しているわけではなく、事象ごとの特異性を確定的な約束事として置く手応えは不十分であるけれども(むしろ離反傾向がある)、長年片手落ちにて転がしてきた「併置論」の始末としては明快な顕われとなった。「余白」に関して扱いが恣意に傾くのは、うんざりする程の反復鍛錬が不足しているからにすぎない。かといっ […]
徴砥粉

徴砥粉

 最低限に研くよう戒めていたのは、さまざまな意味で「研磨」という磁力にモノもこちらも囚われないためだったが、この戒めを再検討してみると、磨き自体を括弧で括るような仕方もあって然るべきだと。
動観似相

動観似相

 調合で得られない色彩を注文して筆を置き接続工作へ戻り積木の仕草を行うと、平面の皮膜併置から促されていた弁えによく似た誂えの仕方のようなものが浮かび、ふと立ち上がって置いてきた平面画面を眺めると、なるほど同じことかと賦に落とす。画面の大きさも1Mx1Mがおそらく今後反復可能な自身のサイズとして熟れればありがたい。どれほどのミニマム化が可能か転がした幾つかの工作をこれまでに加えれば17の断片が出来上 […]
識層

識層

 20年以上馴染みのある材の炭化ケイ素を投入し、ともすれば季節が変わる事も忘れるかの無闇な混濁に戯れる行為性を戒めることにしたのは、系をタイトに伸ばすため。ただこれで、遊戯性の無頓着、多様な選択肢への迷いがなくなり、どうすればよいのかがすっきりみえてくる。横に「ミケランジェロの井戸」という言葉を置く。  色顔料の色調の整えには手を焼くが、物質的なシリコンカーバイドの変更不能な併置によって、イリュー […]
四十六米突

四十六米突

 46米に対応するには最低でも23必要だと早々にはじめた組立を12で息切れがおきる。同時に取り組んでいた皮膜の扱いをオイル実作へ移行する手がかりを得て、闇雲八割で開始する。
遠星寄右

遠星寄右

 「アコースティック スペース」とでも名づけるか。ようやく皮膜と構造の距離のいかがわしさが失せるかなと。