家外の石油タンクがすっかり雪に埋もれてしまったので、絶えず生き急いでいる母親が招集した家族会議の帰り、車のガソリン補給、塩カル鉄粉落とし洗車の際に灯油を購入し、折角綺麗になった車を汚して山に戻り、零下の仕事部屋から逃れリビングで広げ続けた制作のひとまずの片付けをしつつ、二十日に渡った制作の流れをよそ者の目で眺めてみる。
個人的には最初に投げた物譚の兆しは、こちら側で頻りに時に捩れるようでもあったが、精神の投じた時間への流れの照り返しがあって、ひどく細かな処理の土壇場での解決の重なりが、思ってもみなかった落ち着きと展開を与えた。おかしなもので自己恢復の盆栽の手付きが、ユニークで勝手な位置から、どこかまた遠い距離を運んで来る。