より端的に単純化させる展開「併置」として、床から壁面へと1/3ほどの仕事を移行させると、なるほど壁面という利便性を改めて感じ入る。勿論スケールと空間の仕立て、材質などに依るけれども、但し壁面だけに拘ると展開したこと自体が矮小化し、相互照応の力が失せる(意匠的な把握によって閉じる)可能性もあり、現代的な生活空間と、日常的ではない空間の両極を想定し、高さ(垂直)や広がり(水平)に対する機能弾力を更に考える必要がある。しかしまあ、大袈裟である必要はない。
展開物の唯一性よりも、そこからはじまる類型性と解釈を柔軟にして、ぎりぎり下品な手付きも都度検証するようにして許すべきだろう。また、ふと浮かんで消えない横滑りのような、「もうひとつの併置」というスリップが時にふと浮かぶけれども、メモのような刻み方をしないと亡失する儚さがあり、こうした試論(エッセイズム)展開継続で、目にみえるかたちにしておくべきと戒める。