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腸に夢中な子供部屋のような散乱を極める松田朕佳のスタジオの隣のスペースでの撤去を暫し待つことにして、撤収で疲弊した人間たちで、ワインを我慢しママゴトセットの紅茶をいただきつつ談笑する。

夏から戸隠地質化石館に出向いては学芸員の田辺氏に迷惑をかけながら過ごした時間のせいか、元来の気質も備わっている若い美術家の松田の腸の垂れ下がるスペースで急遽インスタレーションを重ねることになり、大人の謙虚さを忘れないように気をつけ久しぶりにやりたいことを勝手に楽しむようなニュアンスで展開すると、なかなかこの効果は自身にとって大きなものとなったようだ。最近の傾向として空間のテンプレート依存の萎縮のようなものを感じるので、こうした感応する空間や場で自在な思考実験をすることによって自由という言葉の意味や機能もそれなりに拡張するだろう。けれどもそれを手応えある出来事に成熟させるには多少の準備された誂えと機能性が展開する空間自体に必要となる。それをこれから考える。

修理にだした顔料プリンターが新品と交換されて戻ってきたのでセットアップし、希望のものではなかったが、まあ開発が新しいので、その使い勝手を期待してテストプリント。12月のトポス高地は「人間の目方」(仮タイトル)の肖像写真作品展と決め、今年のデータから67枚まず選ぶ。