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戻った日の朝雪を被ったが一週間留守にした高原の白い重りのような塊は消え圧迫され続け平たく潰れた地べたの下草が巨大な獣の体毛のような流れ方で水を含み始めている。

国土の半分を干拓したオランダから専門家を呼び800億を越える金と人力を投入した、現在眺めれば人間と自然の調和の最高峰とも受け止められる八郎潟は歴史を調べればそれなりに曲折がある。そんな経緯と事情はどうであれ彼処かと思わず指差した白神山地入り口あたりのインターから自動車道に入り右側の西日に輝く景色に暫く魂を奪われた。
振り返れば、苫米地(とまべち)戸来(へらい)寒立馬(かんだちめ)山立などマタギとアイヌの残響が木霊となった。