眺め下りる柔らかな山肌の田に水が引かれ早朝5時すぎから耕耘機を転がす人の姿がり砕かれたガラスのような水平面の散らばりが陽を反射している。

叔父たちの話しではやはり花々の咲き具合が例年より遅いと酒の席で聞きつつ、その遅れの恩恵ではある野蒜、蕨、春野沢菜など贅沢な山菜料理を頂き、土産に貰って二日ほどそればかり喰っていた。雨は久しぶりだなと終日濡れて発色が際立つ庭を眺た翌日は晴れあがったのでバイクのシートを捲り畳んで股がりエンジンを温めてから一回りすると直に切る高原の大気はまだ肌寒いが気持ちがよい。

積雪が溜まった窪地の池の水も随分減っていて、一ヶ月前は池底だった地を撮影しながら歩く。離れた池には脇を戸隠まで繋げて走る道を週末だから多くの車がのぼってきていて、湖面に遊ぶボートも二隻あった。標高計で計測しながら走りおおよその場所と高さを頭に入れることを少々繰り返したので、離れた場所の比較ができるようになって、地勢の影響で標高は同じでも随分違うものだと、話しの席でも繰り返していた。

檜の風呂蓋にしたせいで浴槽で書を捲るより噎せるような香りに瞼を閉じたまま何もせずに地獄谷の猿のようにただ浸かる。

あれこあり半年が過ぎたが漸く昨年暮れの仕事を振り返って纏めはじめ、今年中に実現したいピノッキオとの文脈のつながりなどへ。