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 1995年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録された、岐阜県白川村荻町、富山県五箇山相倉、菅沼の各集落に在る合掌造りの家の大きな屋根とその形は、環境と住まう人間の「家族」が明晰に示されている。現代の記号的な「家」は、核家族を表象していて小さいキューブに小さい屋根がかけられている程度だが、合掌造りの家は、「屋根裏部分を2層3層に区切り、天井に隙間を空け囲炉裏の熱が届くようにして養蚕のための場所として積極的に活用」(引用)された大きな角度を持つ屋根が特徴的であり、このボリュームそのものが環境の生存の形を力強く示している。