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吉凶を占うつもりなどさらさらないけれどやはりまた短籍風の形態となった。

何処かの誰かがつまらないものをつくるほうが想像力を必要とすると言っていた。その裏腹は面白い事など兎角人心を気遣うだけのつまらなさに陥るからということだが、人の痕跡の絶えたような空漠を手元で広げる心地で行成りという成行きに勝手に過去を乗せる。

只管な抑制の世代を仕舞った感触に従い、かといって形振り構わぬ発散などに気持ちは寄らないから、細い茎のような自身のこれまでの文脈を振り返るしか無い。身だしなみを整えて間違いをしないように気をつけるような神経質なコントロールなど碌なものでないから、せいぜい軀の矩形を幾度も含み笑いを伴って修復するのだ。