1.1/50 + ND4

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大いに雪は溶け陽射しもはっきりとしてきたがまだまだ風は冷たいのがよろしい。

夢の中で贖罪の薄霧が晴れたような青臭い展開に目覚めてから呆れたが、この取り返しのつかない諦めのようなものにいつか現実で向き合うことになるかもしれないと溜め息をつく。
冷えた躯を温める湯槽の中でしか捲らない歩行の速度の読み物の辿りに眠りを誘われた縁で東北の振り返った山地が立ち上がり慌てたようにマタギの書物を探す。
言葉が声になって聴こえるのでそのヴォイス自体の清涼を求めている気がして、では清涼とは文体ではないなと古びた並びを横にしてから、ラジオの声など言葉ではないとスイッチを切った。

黒土の始末をどうしても言葉の併置で行うことにしたのはよいがなかなかこの仕組みに熟れを与えるのがむつかしい。

山の人生 – マタギの村から / 根深誠 (1947~) (Book) amazon
台所のおと / 幸田文 (1904~1990) Book *reread
崩れ / 幸田文 (1904~1990) Book *
木 / 幸田文 (1904~1990) Book *
残光 / 小島信夫 (1915~2006) Book amazon
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