描初とはいわないが年が明けて早々にノートに鉛筆を歩かせワトソン紙の上に硯で墨を磨り卸しながらこの墨に黒土を含ませることができないかと浮かべ向こうはまだ霞んでいる計画構想の手がかりの探索を儚い植物実体に囲まれて継続。

年末から度々土壌関連の手引書を捲っていたこともあった。腐植というこちらにとってはタイムリーな観念が思わぬ側から構想を支える。それほど怠惰に過ごした人生ではなかった筈で学習ばかりしてきたつもりだがまた知らぬことばかりだと最近やたらに新鮮な知識が手元の器の中へ面白いように流れ込み腑に落ちるのが青年地味ていてどこかあれっと可笑しい。ようやく鉛筆を持つ手首に人並みが漂ってきたか。

写真やインスタレーションなど、いずれ消えてなくなる事、存在自体が儚い性格原理を持つ事へ展きを求めその構想指向が腐植という都合のよい屁理屈から基本的な立ち位置へアップグレードの気配をみせはじめる。蓋し「炭素」を避けては進めないと戒める。