早朝斜めになっていた娘の布団をかけ直してから珈琲の湯気を吸い込んで窓際に立ち、春の雪ではなくてまだ冬だなと呟くでもなくおもった。従兄弟の結婚式が行われる日だがこの雪も憶い出深い出来事になるだろう。

昨日はFLAT FILEのトートバッグ展のオープニングでゲンタオサメと撮影などして、50名ほどのさまざまな手仕事の、あるいは想像力の香りのようなものを吸って心地がよかった。モリヤ夫妻のまだ小さな娘さんたちも健やかで可愛らしく展覧会よりも、再び寒くなった夕刻子供たちの跳ねる瑞々しさのほうへカメラは向いた。

再度新幹線に飛び乗った娘を迎え実家にて札幌から来た叔父夫婦と妹家族も合流し母親は賑やかな夕食を楽しそうに台所で立ち振る舞い頻りに言葉が溢れるようだった。支度があるから酒をやめて早々に車で山に戻り、成績表を持参した娘の、本人は腑に落ちないその結果を、ただよくやったねと評価して、風呂でおそらくはじめて背中を流してくれと頼み、赤くなっちゃうよと力を抑える娘にもっと力一杯擦ってくれとねだる。実に爽快にパジャマに着替え、本を一頁捲ってすぐ眠る。