おじいちゃんと声をかけたが次女はあまりに変わった寝室で横たわる祖父を見てから台所に戻り、祖母とわたしの前で泣いた。
息子ももう父親へカメラなど向けたくない。
日曜日には母親から嗚咽の電話があり、企画展の最終日だったが、虚ろな気持がココロを支配し唄う気分も失せていた。夜は朝まで大勢で酒を呑んだが、早朝シンクを片付けながら、氷柱のようになにかが一層凍り付いていき眠気も失せた。
展示の搬出をゲンタ、竹ノ内、オサメに加えて次女にも手伝ってもらい、夕方には実家に回ったのだったが、消沈した次女を乗せて早々に山に戻る。
草臥れて凍った気持にこのところの過労と不摂生が重なり、夜半よりこんこんと咳が出始はじめたのでマスクをし、今夜は早く寝ようと次女を促して一旦並べたベッドで眠り込んだが、深夜自分の咳で寝覚めそのまま足元にストーブを吹きつけてラップトップをあけた。風邪に撃沈ということよりも、数日何も考えずに、娘に従って静かにしていようかと。
火曜は父親の診察の予約日だが、こちらの風邪のせいもあり妹に任せることにした。