夕方から2時間ほど眠ってしまっていた。
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中央の花壇が水族館のような瑞々しさに膨れており、円形に囲むベンチに座る人間の頭部が揺れてその花壇に溶け込み、身体自体もフォーカスがぼけているけれども、下半身からつま先にかけて、フォーカスが締まっていく。そんな写真を、女性の写真家の作品だと説明され、なるほど技術的には理解しつつ、戦略的でもあると斜めに眺めながら、でも美しいなと徐々に取り込まれていった。
炭坑の残るような山間の街にいて、自分の壊れたCameraを修理するために、写真館で尋ねたようだ。こちらと似たような旅行者が数人いて、暮れかける外の光を眺めたひとりが、こちらに向かって、
「この刻々と光が失われていく時が、撮影の時です」と囁いてから、坂道を上っていった。
わたしも、懐かしいようなCameraのファインダーを修理してから、この街のこの時間のことを、知っていた手つきで、黒い服装が目立つ街並にむけて、シャッターを押していた。
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明日の午前でこちらの仕事を仕舞い、娘らを連れて帰省の予定。
ノートPC,HD,Camera,三脚で、結構な荷物。今夜、帰省後の日程調整。
キチンでは、妻と長女が、 goeさんのおいしかったねえなどと騒ぎながら、トムヤンクンを作り始めている。