腫瘍の摘出は問題なかったが、腸を繋ぎ間違えた手術をやり直し、ストーマの使用を余儀なくされ、化学療法での、組織を殺す荒治療に文句を並べながらも、三度の手術に耐えた母親がようやく昨日退院となった。ほぼ5ヶ月病と闘い終えて、げっそりと痩せたが、精神的な強さが、病の前よりも仕草ひとつひとつに顕われる。ゆっくりでいいので、恢復を祈る。
こちら自身を朝風呂の出がけに鏡で眺めて、まあ、こいつは一体誰?という風体で、どちらが病人かわからぬ有り様。このところ、あらゆる生活を忘れて、VE05構築に関わり続けていた。ようやく全体が見渡せるところまで辿り着いた。欲望には限界が無いとは本当で、不満を解消するためには、切断するしかない。つまり、切断の意志の欲望を勝たせるわけだ。
どういった形になるとしても、作業に関わった皆は、知らぬうちに成熟している。互いの仕事を称えたい。あとひと踏んばり。妙な箱庭のように統合することを、さてどうやって追い払い、解放させるか。