小野君から丁寧に焼かれたバライタが届いた。家庭をふと振り返って、ぽつねんと見つめている主人の視線が繊細にプリントされていて、いずれ彼のまとまったデータベースを作りたいと思うのだった。View image
メールから伝わる日々の試験場の忙しさの宿りなど感じない作品の、開かれた目蓋の佇まいというもの。確かに独りの人間のモノだが、ある所(秘密の場所といっていいかもしれない)を通過すると、その目蓋は私たちのソレに似てくる。普遍性を帯びてくるものだ。
以前1x1メートルにラボにプリントを依頼したことがあり、二枚のガラスを抱き合わせて展示したことがあるけれども、写真の大きさということは、環境の必然がなければ必要ないが、あの時の、ガラスの環境が映り込む水平面が写真には必要な気がする。バライタは撓りのある紙のオブジェクティブな重さのようなものがあり、手に取ると特有の完成度を感じるが、これを硬質なガラスを載せて眺めたい。