「人は何によって生きてきたのか、何によって生き、何によってこれからも生きるのか。それが、いかなる大きな、秘められた、われわれの目には見えない力によってなのか・・・・」A・タルコフスキー(自筆の署名)/アンドレイ・タルコフスキー「鏡」の本より抜粋/
1973年3月22日から1974年12月20日までの作業ノートに貼られているタルコフスキー本人やスタッフた撮影したというプリントが、丁度魂の注ぎ込まれる前の穏やかな光景であるので、惹き込まれた。
ー8月6日 マテリアルを見た。ピントがあっていない。全部撮り直しだ。カメラをモスクワに送った。ー
ー8月11日(土)〜一日中、日が照っていた。ー
ー9月7日(金)森から吹き出してくる風の撮影(第一の夢の)ー
ー9月8日(土)〜第2の夢のカラーのカット1をリテイク2回で撮った。どちらも失敗。ゴーシャのグループの仕事ぶりはまったくひどい。のろいし、頼りない。ー
ー9月9日(日)〜与えられているフィルムで間に合わせるには、およそ、リテイク2.5回で撮らないと。31日間の撮影で24カット修了ーつまり1日1カット以下(0.8カット)しか撮っていないということだ。ー
若いオレーグ・ヤンコーフスキーのショットは、ノスタルジーでは思いもしなかった俳優としての彼の人生が勝手に浮かび、二役をこなすマルガリータ・テーレホワの、むしろこれも若さが、イコール、タルコフスキー自身の若さであるように思えるのだった。