数日前から家族に対しては造影剤投与や血液検査を臆面も無く怖がり、食事も制限し、当日の朝は早くから殊更繊細に準備に追われる風だったが、本人は検査の肉体的な不安よりも再発を勿論誰よりも怖れていただろう母親の癌細胞の転移を調べるCT定期検査が、午前中をかけて行われ、付き添って映像を視認した父親が「きれいだったよ」と説明する横で、嬉しそうにほっとしている表情に、こちらもやや緊張気味だった胸を撫で下ろした。
目尻の下がった表情で、お昼は病院のレストランでラーメンを食べてきたと聞いて、きっと検査結果を喜んで味などわからなかったのではと思ったが、夕方、母さんのお祝いだと鮨を買ってきた父親は「あそこのラーメンは塩辛い」と批判するので笑った。
長野市社会福祉協議会で書を教えている父親は午後から運動のため自転車で出かけるので、車を使ってよいと言われ、こちらは丁度届いたばかりのTH-AX200を小布施まで設置に車を走らせた。
現在の展示は、あと一週間で期間終了するが、その間、不具合を放棄しておくわけにもいかず、無理をしてプロジェクターを新規購入した。残りの期間稼働させる。予算外の持ち出しが嵩み、日々を支える仕事とは成立していないこのような営みをなんとか改善していきたいものだ。ディレクションとコーディネイトを担当する次回展の参加作家より展示システムの具体的な準備調整の頻繁なやり取りもはじまり、朝早く外看板のデザイン原稿を納稿したばかりで、昨夜遅くサポート人員の手配を頼むなど、全的にクリアにすべき段階に入った。
設置を終えてから、睡眠不足が祟り若干睡魔に眩んだが、体感が忘れられず、そのまま車でアクアウイングに直行。昨日は左肩の痛みがあったので、歩行と泳ぎの繰り返しだったが、今日は痛みが和らぎ、遠泳レーンにて45分間泳ぎ、ジャグジーで15分程寝入っていたようだ。
運動公園の北側に枝振りが垂直に燃え立つような20mほどのポプラ(ヤナギ科)があり、北大のポプラ並木を憶い出しつつ、これがマッチの軸に使われるとはなんともオカシな間違いのようだと見上げて撮影する。
この公園の欅(けやき)(ニレ科)並木も美しい。最近の撮影の歩行で、櫟(クヌギ)(ブナ科)にも目を見張る美しさを見いだした。神社などで見事に残されたものを仰いで撮影を繰り返している。枝を見上げて種類が判るようになりたい。