bridge.jpgWAS NUTZT DIE LIEBE IN GEDANKEN (2004)独 / Hendrik Handloegten(1968~), Annette Hess(1967~), Alexander Pfeuffer / original :Der Selbstmörderclub:Arno Meyer Zu Küingdorf
1927年に実際に起きた、ギムナジウムの最上級生である少年と、少女たちの自殺事件[Steglitzer Schülertragödie]を描いた小説を映画化。
こうしたシステムで、どれだけ時代空間に迫れるかが監督の力の発揮するところとなる。エンディングロールで流れた曲はなんだろう?音に委ねようと字幕をオフにして観たせいか、久しぶりにベルリンを憶い出す。
The bridge (2006) / Eric Steel
Listen: Q & A with director Eric Steel (MP3)
おそらく撮影後関係者にインタビューをしたものと思われるが、その撮影のスタンス(自殺を眺める)に正当性があるかどうかを考えると、カメラの動きが眺めの恣意(自殺者が現れるのをひたすら待っていたわけだ)となって、忌まわしくまとわりつく。自殺を思いとどまらせる為の作品と監督は説明しているようだが、どこか逆説的な匂いがする。

季節柄もあるだろう、訪れる人間が非常に少ないプールに3日も通えば、受付の女の子から、あらこんにちわと親しげに声をかけられるのだろうか?とロッカーで尻を出しながら首を傾げていた。
プールの縁に立つ監視のアルバイトからも、親しげに頭を下げられ、なんだか奇妙な感触で水に入る。午後3時から午後4時まで泳ぎ、ジャグジーで目を閉じ、着替えてから、以前にはなかったが、ロビーに新しく設置されたマッサージチェアを5分間試すと、自分の選択したメニューが完璧なもののように感じられた。
短歌などで頻繁に使うからと母親に云われて自宅用に改訂された広辞苑を注文。

自宅近所の知り合いからの頂き物の、手作りの干し柿があまりに丁寧・上手且つ美味しく出来ており、感心して娘らに宅急便で送る。餃子を50個差し上げるからと母親に頼まれて、父親とふたりでせっせと餃子を包む。40個箱に入れて受け取りに来た姪に渡し、夕食分には28個しか残らなかったが、3人の食卓では結局食べきれなかった。


sapou.jpg伯母から頂いた三宝柑福居袋を食す。三宝柑の実をくり抜いたゼリー。みすず飴の季節限定スイーツ。香りが良い。

bobby (2006) / Emilio Estevez(1962) : 1960年代の世界をもう一度おさらいしたくなる。一日の出来事からエッセンスを紡ぐ手法は良いけれど、何かに繋げてほしい。
The Biographer (2002 : TV) / Philip Saville(1930~) : 脚本と演出は、70歳を超えた監督の成熟を感じさせる。ダイアナ妃の状況というよりも、ライターの態度と手法を擁護する方向性は安心できるが、どこまで事実に沿っているかは判然としない。王室側の態度が一色で描かれており、短絡的な対比構造になりすぎている。同じアプローチをこの国の病みがちな妃が行うことを考えた。
Io non ho paura (2003) / Gabriele Salvatores(1950~) : 脚本・撮影など流石イタリア映画と久しぶりに感動する。ロケーションが素晴らしい。ありふれた出来事に対する10歳の眼差しの普遍的で率直な貫きが、大人の恣意的教条的介入を退けるように輝いている。こうした演出のできる監督は他に知らない。なんだか嬉しくなってしまう。