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 関心の地平は裾を広げ散漫にただ拡散するだけなのかと首を傾げた時もあったが、漸く支える土地のような眼差しとなってきた。幾つかの戒めで瞼を細めた時もあり、そんな時は払拭の汗を流すだけしか術を知らず、延々と繰り返され辟易の痕跡も、時が過ぎれば瑞々しく蘇るのだった。
 拘束の不自由を幸せと捉える亡父が行者となって夢に顕われ、彼の意識の弛緩がわたしに重なりなるほどと外に出て歩いていた。幾度か父親と千日回峰を言葉少なく話したことを不鮮明に憶いだして妙な父親と息子だったと振り返る。

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