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 制作の空間と併置の空間の差異を思い知るように設置を実に静かに淡々と行う。併置空間へ作品を持ち込んだ当初の俯瞰の眼でさてどうしようと途方に暮れたけれども、ひとつひとつの作品の成立の力(過ごした時間)に近づくことしか出来ぬから、それをするしかなかったが、それでよかったようだ。搬入と設置時に作品がふたつ壊れたので修復すると新しく気づくことがある。制作の実感、醍醐味、何を考えて作業しているのかを比較すると、平面では未だ緊張が拭えない上、使っているカラダの領域が異なっているとつくづく感じる。手法触知の差異だけではない。積み木や穴掘りの体感で平面が行えると良いと判っているが、それがなかなかむつかしい。

 冬の制作を立体、インスタレーション、平面の三つに分け、立体は、「板を割って」「冬の屈み」「気卓」「囲出」「行方構」の五つにカテゴライズする。手法、素材差異ではなく、与えた(あるいは得た)思考傾向で区切る。

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