思いのほかCX300が耳に良いので、ほとんどビート感の無いInstrumentalに特化したiPod Suffulが頗る快適。
文体には然程思う事もないBad Twinから、音の効果があるのか、時々残るものがあり、その度に忘れぬよう頁を折り返していた。メモとして引用抜粋。
ー「あいつはいつもそうだった。Aの素材をもちながらZを選ぶ。そういうヤツなんだ」ー
ーモスはふたたびマリファナをを吸った。その瞬間、顔のパーツはさらに中央に集まるように見え、どことなく表情に胡散臭さが加わった。アーティザンはふとモスの人生を想像してみた。本人のせいではないが、ひょろ長い体と胡散臭い顔をもって生まれ、そのせいでなかなか人に信用されず、信用してもらえないから実際、信頼できない人間になる・・・・・・・・。いったいどっちが先なんだ。ー
ー俺は船のすべてを知っているから、わかるんだ。ロープの一本一本がどこでどう結ばれているか、ディーゼルはどう動くのか、舵を支えているのは何か、便所の水を流したらションベンがどこへ流れていくか・・・・。船に乗っている金持ちのアホどもは何を知っている?何も知らないさ。夏の土曜日にジントニック片手に握って、水面をチョロッとなでるだけだ。ヤツらにできるのはその程度さ。ー
ー「へえ、あんたはめったに名刺を使わないんだね。ずいぶん汚れているし、シワくちゃだぜ。高校のとき半年財布に入れっぱなしだったコンドームみたいだ」ー
ーそれで事前に、アメリカに行ったことのある友だちに何を言えばいいか教えてもらった。するとまず名前、次に職業だと。そこで移民局の担当者が名前を聞き返したとき、彼は職業を聞かれているだと思い、アルトサインと答えた。バスク語で羊飼いという意味です。移民局の担当者はそれをアーティザンと聞き違えた。以来、うちの名字はアーティザンになった」ー