変哲のない日常として時の経過がこのところというか年々早く感じる。
風で交錯する枝のような浅い因果の事々であっても、時には深い経験となるが、得てして奇跡的なことであることに気づかない。そして自身の穴だらけの不足にばかり気が散って、経験の豊かさを味わうことを放棄してしまっていたなと、深い淵の名残のようなものを振り返った。
光を灯そうと能動的な意識と積極的な介入の行為を考えたのではない。触れて知った体温がいつも其処にあるように祈る意識がぼんやりと蛍のような光を放つだろうか。