稲穂の色彩が夏の終わりと秋を想起させる飯綱黒姫裾野から光の落ちる戸隠連山を臨む地にてしばし立ち尽くす。なるほど町営富士里牧場がみえる。左がアファンの森か。

ここ数年否十年ほどを通してこれほど人と出会った夏はなかった。家族や仕事関係の限られた出会い反復とは違って初対面が続くとそれなりに疲労感もあるけれども自身の中が都度良い意味で犯され刷新される心地は悪くない。だがまあ良い季節が訪れるので動きを抑制し静寂と沈思堪能する月を送ろうか。

現実観測に痺れる享受に身を開き続けるグリーンシーズンと身の根幹から想像力を絞り出す時を交互に行うほど器用ではないので、振り返っては足下に伸びる陰の中この身の文脈原型を確かめながら身の丈のスピードでと。

しかし名に惹かれるということはあるものだ。とはいえ最近巷も何もかもがちと大袈裟だよな。変哲のない面白くも可笑しくもない営みのほうが優れていると思う近頃。