葉肉の内側を煮え立たせるような陽をまだ浴びて、旺盛な葉にもどこか草臥れたサップ系の赤色が忍んだ色となった。早朝歩いていた。付け替えたストラップが丁度腹の下、股間の上におさまる長さとなって、これまで鳩尾の下の膨れた胃の上を跳ねるようだったカメラの位置が変わるだけで、こうも歩みがよろしいとは面白い。その気もなかったが歩く距離が知らずに伸びた。数日前ゲンタのD3 (価格.com)にも、ARTISAN&ARTISTの長いストラップがあった。
余程慎重丁寧に仕事を進めないと立て込んだ案件への集中が途切れ、その言い訳を散乱する光景に投げることになる。腰を据えるしかないので、週末まで繰り返した外回りの素材収集業務を終えると汗も拭かず即座に食料の買い出しに出かけたが、シャワーの後で張った肘が触れ、長いこと大切に使っていた重ねた磁器を床に砕き落とし、口を開けて溜め息もでなかった。ガラスの皿だけ残された。
ヘッドフォンを外し、端末の音響出力のBOSEの電源も切って、空調とHDの時々嘆くようなカリカリという囁きだけの机回りで静まりを集める業務の時間の彼方遠く、ようやく懐かしいような雷鳴が響き渡った。