コンビニで鱈チーズとおにぎりを買って新幹線に乗り込んだ次女を迎えに駅まで行き、そのまま御霊をお墓に戻す送り盆を行う為、伯母の家に向かう。庭先でかんば(白樺の樹皮)を燃やし黒い煙が立ちのぼる。伯父の霊を見送る伯母は涙ぐんでいた。霊が呼んで訪れた人々のお参りの数日を惜しんでいるようでもあった。
長野市霊園への道は、上りも下りも車が繋がり駐車場は勿論霊園も人々が大勢訪れ、先祖に別れを告げている。父親が空を見上げて、もう秋の空だなと呟いた時、見晴らしの良いこの霊園も季節とともに人の姿が消える変化を、侘しいというより清々しく受け止めたのは、霊園に並ぶ墓石の前全てに花が並び、先祖や別れた家族への想いが丁寧に並んで、かんばの燃える香りと辺りを漂う線香のせいもある。
久しぶりに会う姪たちと、妹夫婦に誘われて、備前炭火焼の店に出かけ、乾杯をする。「島思い」という泡盛をロックで呑む。二次会は北長野のリトミックのスタジオで、オリンピックの野球を眺めながら、日本酒、ワインと次々に空にしたおかげで、深夜手前で気絶する。翌朝、娘から、床に倒れたこちらの尻に蛾が止まっていたよと言われる。
いきなり気温が秋モードになり、寒暖の差が10°Cと、天気予報が知らせた。
夕方から朝まで非常に過ごしやすかったが、それでもエアコンをつける時はあったが、この2、3日で、夏は終わりと天が顎をしゃくった。
そろそろ荷をまとめ、整理された精神と身体で仕事の季節へということだが、若干広がった思索の空間に慣れてしまい、再び勝ちどきの狭苦しいオフィスでの迷走を考えると、憂鬱になる。
田舎を満喫する筈の娘は、仕舞えていない夏休みの宿題を、例年どおり抱えて持ち込んでおり、こちらも同調して頭を抱えながら、曇り気味の休日を、宿題解決日として付き合うことになり、水彩画の宿題があると云われ、道具の準備等から慌てる。丁度昨夜の子どもたちの花火の際に、従姉妹のチーちゃんを娘が撮影した写真画像をそのまま描いたらいかが?とプリントして差し出したが、これをどすればいいっていうわけ?と詰め寄られた。
午後には、被写体のチイちゃんも宿題を抱えて訪れ、夕方まで祖父母が感心するほど、静かに二人で学習をしたので、夕食に最近評判の良い野菜あんかけ揚げ焼きそばをこしらえ、デザートも奮発した。ご褒美にライラの冒険 黄金の羅針盤のDVD鑑賞をプレゼント。頑張ってもまだまだあるよと宿題で悩む娘らに幸あれ。