911の嘘をくずせ-ルースチェンジ2 完全字幕版 No.1 (No.0~No.9)
機能説明書(マニュアル)の魅力は、使う未来を前提としている誘いという文体にある。書棚にあるさまざまな説明書を脇に積み重ねてページを捲る。まだ使い始めていなかったデバイスや機器を、ときめきながら触れたあの時の一瞬が蘇る。ーここをこうすればこうなりますーという断定記述の気持良さは、記述言語の中でも、特異な高みに位置している。娘たちなどは、分厚いマニュアルなど使わずに複雑な携帯電話などを弄りながら身体的な道具として使い込んでいるけれども、捲られていないマニュアル制作に注ぎ込まれたプロダクト精神の横に在りながらも、単独に自立しているようなマニュアル文体は、どこかイカしている。などと、また電子レンジのマニュアルを捲り、7,8年使っているというのに、はじめて知ることがあった。
コンピューターのマニュアルなどは馬鹿げているが、単純なもの、例えば「杖」とか「斧」とかのマニュアルを記述する遠い未来から歴史を辿る者の文体を念うと、感情的で詩的な言語の連なりをぽかんと蹴飛ばすような、無頓着だが言語を言語足らしめる姿の克明なラインが浮かぶ。