ムードというファシズム

共同体に蔓延しているのは、風評でもなければ噂でもない。経済的な均衡の差異や揺らぎに脅かされているわけでもない。
「ムードというファシズム」、匿名性の出自を持つ雰囲気の強制が、気づかないうちに環境からすっと骨迄放射線のように染込んでいるのではないか。
ムードを嫌悪するのは、おそらく遺伝子の足りない雄の獣だと、無責任に叫びたくなる。

嫌悪はひとつの知性だろう。嘔吐は肉体の防御本能の排他だが、反射的な嫌悪も時には知性的な組み立てを崩し直情の斧になる。

ムードは気分だろうか?
a temporary state of mind or feeling : he appeared to be in a very good mood about something.

雰囲気にしろ気分にしろ、ムードに先行された人生など、人間の健やかさではない。獣になれと、平安から鎌倉へ移行した検証をはじめる。

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