どこかソウル・釜山の街並のようだなと感じつつ、蜘蛛の巣のような街路をを迷いながらレンタカーを走らせ、体感40度以上はあった猛烈な暑さの中、首里城の城壁の堅牢さを支える柔らかいフォルムに魅入られながら巡る。早めのランチに沖縄そばを試す。この島のスケールの、地図記載と体感とがずれている上、道路状況が全くわからないこともあり、兎に角宿の予約を入れてある恩納(おんな)まで高速を走る。石川ICで降り万座まで連なる西海岸リゾートへ。恩納マリンビューパレスへのチェックインは14時なので、近くのグランブルーという店へ。同行の妹と姪と次女は早速物色。こちらは店の裏に広がる誰もいない美しい海岸になんだこれはと呆然としながら立ち尽くす。海と云う認識の地図が体内で新たに組み変わっていく。カメラを覗き撮影ではこの状況の記録は無理と最初から諦めが生まれる。67は43mmがあればと悔やむ。買い物を終え満足げな女たちの物欲を不思議に感じながら、ホテルへ戻りチェックインし荷を解き、ムーンビーチで泳ぐ。ホテルが管理するプライベートビーチなので、安全の為だろう泳ぐ範囲を限定され、ビーチの脇の磯や沖へ泳ぎ出られない。波打ち際の珊瑚の欠片を拾う。この島への挨拶のような戯れの後、皆でヤシの実を試飲。即座に身体に吸い込まれる。ひとつの実に1.5リットルとは驚く。娘らは内側の白い果肉をも口にいれる。
ホテルのバイキングはおそらくつまらないと、ムーンビーチの近くで見つけた月の浜という料理屋で夕食。泡盛と料理を堪能。泡盛5種類を試飲。43度の濃厚な酒に溺れる。少々濃い豆乳を沸騰させにがりを混ぜて卓上で仕上げる豆腐が抜群に旨い。揚げた豚の足は、まるでアイスバイン。陶版焼きもしゃぶしゃぶも上質な肉の脂があっさりとしていて満足。子供たちは海ぶどうがお気に召したようだ。
朝食の後、ホテルロビーにあるマリンクラブバスロにて、洞窟探検シュノーケリングを予約。その後、海岸線を走り読谷(よみたん)文化会館へ。午前中は、妹たちがこちらのリトミックへ参加。スタッフの方々や今回の為にいらした石田先生に挨拶し撮影をする。正午過ぎに姪と次女二人を連れホテルへ戻り、洞窟探検へ。ウエットスーツで身を包み台風13号の影響かもしれないという波に上下に大きく揺られ船で青い洞窟前にてフィンを装着し海へ飛び降りる。次女は一度魚に夢中になりしこたま海水を呑み咽せるが、ガイドのやさしいおねえさんが付き添ってくれたおかげで、無事に洞窟まで辿り着くことができた。詳細は娘らが防水カメラで撮影した画像にて。簡単に言葉にするとニモの世界。魚のカーテンが幾重にも重なって身体の周りに広がる。姪はシュノーケリング初体験だったが、夢中になったようだ。この界隈では、この体験ツアーがメインのようで、ビーチで泳ぐだけでは満喫できない。午前中のほうが波も穏やかでよいらしい。


旅から戻り、長女の携帯の機種変更の手続きに付き合ってから、ヨドバシカメラへ撮影フィルムを現像に出し、帰省時のポジを受け取り、品切れでどこにも在庫が無いCASIO Pro Trek PRW 100TJ-7JRを尋ねると、やはり在庫無し。だが、この2、3日中に、特殊塗装の限定仕様が若干数入荷の予定と聞き、即座に予約する。夜9時すぎにヨドバシから、明日には入荷すると電話あり。帰り道に、ヴィタール/塚本晋也、CELLULAR, WICKER PARKの3本をレンタル。深夜から朝にかけて観る。塚本晋也の映像は部分的に印象的なものがあったが、物語としては未成熟。全て独りで抱えないで、脚本を信頼できる語り部に任せたらいかがなものか。セルラーの脚本はいかにも今風だが、テレビ番組臭い。(つまり嘘臭い) ホワイト・ライズ(wicker park)は、物語後半から主演となる、罠を仕込むRose Byrne がとてもよい。冒頭のDiane Krugerの存在が見事に霞む。
朝から仕上がったポジをルーペで確認すると、思った以上に、Contax G1で撮影したAGFA35mmが美しい。67のベルビアと共にスキャンをはじめる。
昼過ぎに再度ヨドバシカメラ迄水中カメラ(使い捨て)の同時プリントを取りに行くと、フラッシュ付きでなかったので、やはり幾つかの水中写真は映っていない。残念。用意周到な遊びとはだが、面倒。Pro Trekを受け取り帰宅後、夏休み最終日の追い込みに見通しがついた娘らを連れてお茶の水スポーツ店街へ出かけ、歩き回って長女のジャージを探すが良いものがない。短パンのみ購入。これも残念。