蓮実重彦がいつだったか朝日新聞紙面の文芸批評で、知識の民主化を装いながら安易なイメージで済ましていると、ヨースタイン・ゴルデル「ソフィーの世界」を引き合いに出して、「自分がどこから来てどこに行くのかという問いに対して答えを出さなければならない」と宣言する猪瀬直樹「ペルソナ三島由紀夫伝」を批判していたと、中野の古本屋でソレをみつけて淡く憶い出しながら、地下鉄での読書にと300円で購入。確か、蓮実はあの時、前述したモノを思考の破壊工作として批判しながら、ドウルーズの「内在・ひとつの生・・・」、松沢和宏「鏡の世界ー「鼻」の草稿を読む」を読めと提案していた。どちらも読んでいない。これらは、巷にはびこる文学主義を潔癖に回避し、思考の動きを言葉の水準で捉えようとする試みとして、一読に値すると批評を終えていたように記憶している。あるいはまた、ドウルーズの思考の生殖性が、「ソフィーの世界」の、いわば15歳の少女を思考の不妊症に陥れようとする悪意によって抑圧する、陰謀のようだとも書いていた。つまり、「ソフィーの世界」が煽り立てた哲学ブームは、哲学とは無縁の「人生論ブーム」に他ならないと。いかにも後者は鬱陶しい。
帰りの地下鉄で、「ペルソナ〜」を捲ると、だが、やや面白い。1995年の出版だから、現在の著者のスタンスの地盤を形成する記録にもみてとれる。高校の先輩だしな。と読み続けることにした。
夕食後家族で、「スイングガールズ」を観る。丁度部活動を何にするか迷っている長女には、よい刺激だったようだ。その後、独りで、Secret Windowを観る。撮影のアイディアは良いが、脚本がまるきりつまらなくてため息。葬送を手にする。
娘(長女)のレンタルCDをiTunesへ取り込み。Kumi Koda : feel my mind, Spitz : Hachimitsu, HY: Street Story, Ai Otsuka: Love Jam。
Kumi Kodaはよい。あたしもiPod Shuffleが欲しい。1GB240曲というのは、適度な曲数。例えばプレイリストを「恢復」「攻撃」「悲哀」「内省」「思索」などと各240曲で構成して、日々や気分に合わせて聴くのは、多分よろしい。apple storeから、スポーツパックと、Dual lineout用のiSplitterが届く。
DVD Tesseract:2003,Whole ten yards :2004,はいずれもだめ。コメントなし。
Nakamuraが貸してくれたICOはなかなかよい。次女がヨッシーをクリアしたので、以前よりおねだりされていたNintenDogsを購入。ちなみに、彼女は「柴&フレンズ」パッケージを選択。一緒に、風のタクト攻略もおねだりされる。
The Crossing Guard : Sean Penn :1995は、VHS¥350で購入。これはよい買い物だった。