4月のVEプロジェクト名を「踊る蛹」と決定。Gentaの映画のタイトルをそのまま使用。どのような環境構築をするか、明日の夜、Ikeda,Gentaとミーティング。構造の俯瞰と共に、作業の配分と役割をある程度決めないといけない。こちらとしては、この作品のためのプロモーション、記録、販売、外部への拡張といった社会性を、有能なスタッフで構築したいと祈る。考えられることは全て有効に行おうというわけだ。考え方によっては、様々な状況が可能だが、ボトムアップの連続で、プロジェクト構築の変化を皆が楽しめれば未来はダイナミックに導かれる筈。プロジェクトへの参加を要請するクリエイターの諸君には、追って(多分1月半ば)資料(暫定構造計画書)を送付するので、各々のスキルを漲らせて胸踊る春を迎えましょう。というわけで、昨年のVE_DOGSとは、随分手法が異なるが、これも時の流れがそうさせている。企画中で、場所が決まらず頓挫しているBARは、いずれ良い形でやりましょう。
そういえば、夢をみていた。妙なもので、終日憶えていた。
ー専用のスタジオまで用意された仕事を請け負うのだが、「汚れた布」を描いてくれというもの。厚手の紙が必要だと街に出る。金沢のような寺町だが、私は迷路のような街路をよく知っていた。一軒目の画材店には目的のものがないので、街中の川に架かる古い橋を渡ってもうひとつの画材店に寄ると、店の主人はこちらを知っている仕草で、界隈の裏話をはじめる。だってそうでしょ。と同意を求められるが、内容に思い当たる節がない。戻って、屋根裏を改造したスタジオで、買い込んだ紙を折り畳んで汚れた桶に浸す。初対面の共同作業者が、窓の外に置いたら、泥が降ってさ、汚れるってよりも、どうしようもないモノになったんで。と更迭された自分の失敗を説明する。こちらは、バックから一抱えもある筆の束を取り出し、地味に描かないとね。と相手を見ずに答えながら、こうした仕事になるのかやはりと頷いている。構想は、紙自体を汚れた布となるよう、とにかく描くと決めている。下の階の企画会議に出るよう促されて、4、5人に挟まれて、あなたのは、結局撮影するか、コピーするんだけどね、制作に関してはそういうつもりはいらんからと、リーダーに諭される。汚れた布のイメージには、こんな手間が必要かと、何か時代の盲点に気付くのだった。そして、私自身も、こうした手間に従事することがなにか喜ばしく感じている。ー
という夢。初夢ではない。
動的に一般原理を導き出すような帰納でなく、静的に固有へと辿る演繹が、VEの手法であるから、大袈裟なことにならぬよう注意すべし。