17日:母親の直腸悪性腫瘍(癌)摘出削除手術は、長野市民病院に於いて、午後1時45分に麻酔導入剤の注射後、2時より午後8時までの6時間の長時間に渡って行われた。手術中、父親と妹と共に家族待合室に控えた。前日担当医よりの手術説明に、眼科医である妹の夫に立ち会って貰い、手術同意書などの詳細に医師としての睨みをきかせてくれたおかげもあり、手術は無事終了。摘出削除したS字結腸から直腸までの組織を担当医より見せてもらい、手術の説明を家族で聞く。人工肛門に移行せず、大きな開腹もせずに縫合できたとのこと。術後の合併症(縫合不全による腹膜炎、腸閉塞、感染、出血)の不安はあるが、現時点での最善策が全うされたことを皆で喜ぶ。だがリンパ系組織検査が残っており、転移状態はこれから様子をみなければいけない。
病院から近い付属小学校に通う妹の娘らもランドセルのまま心配そうにやってきて、手術終了まで姪たちの明るさで嫌な時間が救われた。手術開始時には母親の弟である叔父も駆けつけてくれて、自身の手術話を軽く広げ、怖がる母親を励ましてくれた。途中2時間ほど、妹家族と父親と私の夕食の準備に実家に戻り、カレーとサラダを作る。小腹を減らしていた妹、父親に鮨詰めを買い病院に戻る。東京の家族にメールする。
術後なかなか全身麻酔まら醒めきらない母親は「寒い」と繰り返す。心配したが、1時間ほど過ぎてから、ナースセンターに隣接した治療室に移動し、面会を許された頃には、顔に赤みも差して、家族に返答する。細かい部分に目の届く妹がしばらく付き添うことにして、皆で帰宅し、実家で手術成功を祝って乾杯し。ホッケの開きが旨い。
18日:一晩経過した母親は顔色も良くなり、ベットを斜めに起こして皆で歓談できるようになり、快復の力に驚く。だがまだ当分絶食であり、勿論血も止まっていないので、安静。昼夜逆転して夜眠れなくなるのを防ぐため、雑誌などを渡して昼間起きているように頑張ると言いながら、母親は皆に気配りして、早く帰って夕食をと促すので、夕方には病院を出る。
鍋の用意をして、蟹や肉などキムチと一緒に煮込む。父親が隠していた凄まじく旨い須坂の生酒(しぼりたて原酒:清酒臥龍山・四阿山おろし・松葉屋限定)を呑みあげる。一升瓶は空になる。