インターフェイスの構築をはじめたのはいいが、満足のいくモノにするとなると、ある種複雑な構築となる。それはいいのだが、複雑な構築に手間どる時間が問題。ビジョンの達成のためのメソッドを並べ、それをひとつひとつ重ね合わすことは楽しみともなるが、ビジョン完成は、プランの立ち上げからそういった重ねあわせる時間の経過を待たなくてはならない。こうした構築は、都度試行錯誤がそれなりにあり、飛躍や削除を時間短縮のために行うけれども、そこまでいくにはこうしてこうしなければという回り道が必要なので、ということは、つまり、構築手法よりも、ツール自体が人間の直感に遅れているわけだ。もともと、そのツールによって引き起こされたビジョンであるにも関わらず、こうした転倒に悩むのは、多分現在という時代性のせいにするしかない。ひとつのトリガーによる全体へのめくるめく展開、広がりというインターフェイスは、多分、ある天才によって、単純化されるのだろうが、こちらにはそれが無いのでつらい。
80年代に手にしたツールはビデオカメラで、当時の性能を今思い返すと微笑ましいが、2003年に動画をコンテンツとして、デジタルビデオカメラを考えると、性能の高さ(高画質)が、重すぎるという皮肉に作用するのが面白い。開発環境は、ハードとソフトの依存関係に左右されているのは事実だが、人間はそういう所と違う場所にいるから、開き直れば楽になる。まあ、どうでもいいことにあまり時間をかけていられない。